ご存知、フランスを代表するオートクチュール・ブランド、クリスチャン・ディオール。セレブはもちろん、世界中のロイヤルファミリーにも愛用されており、その中には英国王室のプリンセスの方々も。しかも、クリスチャン・ディオールがデザインしたお洋服を着用し、最初に有名になったプリンセスというのも、実は英国なのです。

プリンセスが他国ブランドを愛用していいの?! という疑問も含め、それぞれの立場や価値観も関係しながら、今は亡き華麗なるプリンセスから、話題多き現代の王室メンバーの皆様まで、ディオールとのご縁やブランド愛は続いています。知られざる、ディオールと代々の英国プリンセスとの繋がりをご覧下さい。

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マーガレット王女

英国王室のプリンセスが他国のブランド「クリスチャン・ディオール」を愛用していいの?【華麗なる愛用者と非難された事実も?】_img0
1951年、21歳のバースデー記念画像。サンドリンガムハウスにて、セシル・ビートンの撮影。ドレス/クリスチャン・ディオール 写真:Ullstein bild/アフロ

まず始めに、クリスチャン・ディオールとのご縁を持ったのは、マーガレット王女。ご存知、エリザベス女王の妹君です。
出会いは、王女が初めてヨーロッパを訪問された時。その後デザイナーのロンドンでの初コレクションの後、欧州の王室メンバーのための特別なプレゼンテーションをフランス大使館で行ったりと、ブランドと王室との繋がりは過去に遡ります。

大きなきっかけとなったのが、マーガレット王女の21歳のお誕生日。バースデー記念写真で着用されているのが、クリスチャン・ディオールのドレスです。白のシルクオーガンザにマザー・オブ・パールやスパンコールが施された、オフショルダーの実はツーピースドレス。5連のパールネックレスを合わせ、なんとも気品にあふれ、荘厳な華やかさに輝く王女のお姿です。

ディオールのパリコレには欠かせない常連ゲストとなり、1957年10月にデザイナーが逝去するまで、親しき関係は続いたと言われています。

その美貌やファッションセンスゆえに、ファッション界を盛り上げる役目を果たされ、当時はファッションアイコンとも称された王女。
君主である姉エリザベス女王が、英国ブランドに忠実であることが求められたのに対し、妹マーガレット王女に関しては、ファッション面でリスクを冒す余裕や自由さがあったことがわかりますね。

息を呑む美しさと、そして驚いたのが、この時マーガレット王女のウエストは55cmだったそうです……。
 

ダイアナ妃

英国王室のプリンセスが他国のブランド「クリスチャン・ディオール」を愛用していいの?【華麗なる愛用者と非難された事実も?】_img1

1996年12月9日、NYのメトロポリタン美術館、メット・ガラにて。 ドレス・バッグ/クリスチャン・ディオール 写真:AP/アフロ

お次は、マーガレット王女に次ぐ世代のプリンセス、ダイアナ妃。
こちらも80年代のファッション・アイコンと称され、世界中から愛されたプリンセスですが、1996年の離婚後、ファッションがより自由になり、仏ブランドであるディオールの愛用が増えました。

数あるダイアナ妃ファッションの中でも、絶賛されたスタイルの一つがこちら。毎年5月にNYで開催されいているファッションの祭典、メット・ガラに出席された時のダイアナ妃です。
この時にお召しになっている、ミッドナイトブルーのシルクのスリップ風ドレスは、ジョン・ガリアーノのデビューコレクションとなる、ディオールの物なんです。妃のアイコンジュエリーである、サファイアとパールのチョーカーとも見事にマッチしていますね。

そしてこの前年にデビューし、当時のフランス大統領夫人からダイアナ妃へ贈られ大ファンになったという、キルティングバッグ“レディ ディオール”が、この時も手に。

ダイアナ妃がメット・ガラに出席されたのは、結果この日だけとなったけれど、その印象たるやかなり強くいまだ語り継がれ、メット・ガラ史上、最も愛されたルックのひとつとも言われています。