年齢の違いより、経験や視点の違いのほうがずっといい
1学年違うだけでも敬語を使う日本の社会では、どうしても年の差に注目しやすいもの。でも、年ばかりネタにしているのってちょっと、子どもっぽいですよね。お互いに変に気も使うし。なので、仕事で若い人と共演するときは「若者には負けないぞVSベテラン怖い怖い」のような古典的な構図にならないよう、人としての経験や視点の違いを面白がるようにしています。
私は若い頃から、年齢差を大して気にしていませんでした。とにかく目上を立てねば! という意識はあんまりない。中には生意気な女だと思った人もいるでしょう(たくさんいたはず)。でも、私の仕事は年長者のご機嫌取りではありません。カメラやマイクの前では、キャリアの長さの違いに関わらず、出演者全員で番組をいいものにするべく力を尽くすものです。視聴者やリスナーのことを第一に考えれば、当然そうなります。一対一のインタビュー番組で年齢差を気にして遠慮していたら、聞くべきことを聞けません。討論番組の回し役で年上を立てていたら、単なるお説ご拝聴になってしまいます。日本のテレビでは、女性はうんと若い時からかなり年上の人たちと共演する機会が多いですが、私は新人の時からそういう心持ちで仕事をしていました。その基本姿勢は、今に至るまでずっと変わりません。だから、若い人が「いやー今日は大先輩とご一緒できて云々」と気を遣って言ってくれると、感謝しつつもどうかそんなことにエナジーを使わないでおくれと申し訳なく思うし、対等に向き合ってくれないのはつまらないなーとも思います。私たち、年齢差よりも面白い違いがあるかもしれないのに。
「いつまでもお若く」と言いそうになったら、違う言葉を探してみる。「まだまだ若いですよ、大丈夫!」は経験あってこそ。年の差を強調するのはもうやめよう。地道に広めていきたいです。
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