障害になっても働くために利用できる制度はたくさんある


田中:これがなかなか知られてないのですが、障害を持った人の復職や就労のサポートをする障害者職業センターは全国にあります。病気や障害を持った人を支援するだけでなく、受け入れ側の企業もサポートしてくれます。ジョブコーチ(職場適応援助者)支援といって、実際にジョブコーチが職場に出向いて、作業を分析し、どんな工夫をすれば障害があっても行うことができるか、アドバイスをしてくれる制度もあります。例えば記憶障害がある人には次のタスクを知らせるアプリを使うとか、手順のチェックシートをつくって、何をどこまでおこなったか書き込みながら作業をするなどです。障害や業務にあわせて直接アドバイスしてもらえます。

お金の不安はまず相談


​ー​ーみなさん病気になると、やはり何と言ってもお金の面が心配だと思います。私も入院したときにソーシャルワーカーさんにお金の面を相談したことがあります。お金の面ではソーシャルワーカーさんに相談するのがいいんでしょうか?

「変わった自分を受け入れる」障害を持った後の復職、非正規でも復職しづらいわけではない_img0
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田中:入院施設があるような病院ですと、だいたいソーシャルワーカーがいます。治療費のことで相談したいのでソーシャルワーカーさんはいませんかとまず看護師さんに相談してみるといいと思います。やっぱり患者さんは本当に早く復職しなきゃとか有給休暇が切れるという心配で切迫しているので、もうとにかくリハビリなんかよりも、まず仕事に戻らなきゃという思考になるんです。高額医療費制度や難病医療費助成制度、傷病手当金の申請のご案内をすることが多いです。働いていた方だと傷病手当金が1年半ほど受給できます。