50代になっても、人生の選択に迷うことがあり過ぎる。再びキャリー・ブラッドショーの物語が続いた『AND JUST LIKE THAT... シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』はそんなありのままの姿をいつものように見せていました。待望のサマンサの登場に、エイダンとの復活愛という騒がしい山場も作った今シーズンのSATC新章を振り返ります。
ようやく戻ってきた感を実感できる今シーズン
失敗に終わってしまうリバイバル版もあるなか、『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』はNYを舞台に華麗な装いでシーズン2へと突入し、まだまだ続かせる気満々のまま全話解禁を8月24日に迎えたところです。
TVシリーズの放送終了から17年、続編の映画版から11年を経て、期待と絶望感が入り混じったシーズン1よりも、シーズン2はようやく戻ってきた感を実感できるのが最大の見どころです。それは思い出深いファッションが再び登場することだけに限りません。キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)とミランダ(シンシア・ニクソン)、シャーロット(クリスティン・デイヴィス)のそれぞれが50代になっても、らしさ全開のエピソードを見せているからです。
全11話のうち、特に前半のエピソードでSATCの持ち味を感じるはず。第2話の「自分らしくあるために」では、ロスのビーチでスマホをうっかり紛失するミランダのあたふたの中で見せるさりげない友情劇に共感でき、第4話の「私はシニア?」では再び登場したVOGUE編集長イニドとキャリーの因縁対決のような会話に憧れさえ感じ、第6話の「凍えるNY」ではシャーロットと娘リリーの初エッチ話を巡って、滑稽さの中に温かさを見つけます。
新章から登場した新しい仲間たちのエピソードは今回も多めです。コメディアンのチェに、不動産仲介人のシーマ、シャーロットのママ友のリサ、コロンビア大学教授のナヤと4人もいますから、少々盛り込み過ぎな気がしますが、なかでもどことなくサマンサと似通う部分を持ったシーマはその魅力が今シーズンで一気に深まったように思います。たとえば、カップル文化の押しつけに物言う第7話「それぞれのバレンタイン」の台詞の爽快さが印象的。今シーズンのラストシーンまでSATCらしさを保つ、いい仕事をしています。
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