日本では40歳以上の人口のうち約2,800万人が「腰痛」を保有しているとも言われ、私たちにとって身近な病気です。ですが、その種類や治療法は多岐に渡り、全体像をとらえるのは難しいかもしれません。今回は、私たちが知っておきたい「腰痛」の基礎知識、受診の基本などについて、山田悠史先生に聞きました。

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402

 

編集:以前「片頭痛」について解説いただいた時に、世界的に見て仕事を休む原因となったり、日常生活に支障をきたしている病気の第1位が「腰痛」だということを知りました。働き盛り世代としては、腰痛の基礎知識を持っておきたいと思っています。

ただ、少し調べただけでも情報量が多すぎて……。最低限、抑えておくべきポイントを学びたいです。

山田:なるほど、わかりました。これは腰痛だけではなく、全ての病気に言えることなのですが、まずは「原因を探る」という視点が大切です。「腰が痛い」となると、腰痛解消グッズを買おう、湿布を貼ろう、と思ってしまうかもしれませんが、まずは「なぜ腰痛が起こっているのか」を理解することがとても大切ですね。

私たち医師の場合は、腰痛を「時間軸」を使って整理していきます。

編集:どういうことでしょうか?