なぜか「被害者」になってしまう妻の攻撃力


その後、祐介さんは200万円の借金は無事に返済したものの、周囲では「奥さんのエルメスのために借金をした情けない男」というレッテルが貼られてしまいました。

それが一度で済めばまだいいですが、祐介さんの元妻はバーキンを購入した際に「これが一番欲しかったバッグだから」と必死に訴えていたにもかかわらず、その後もエルメス通いをやめませんでした。家にはさらにエルメスの小物製品が増えていったそう。

「そんな状況だったので、またいつ元妻がバーキンみたいな大物を買ってしまわないかヒヤヒヤしていました。もう本当に家計が危険だし、誰にも借金はできない。エルメスを買うのは本当にやめて欲しい、会社でも噂になってしまったと話しました」

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「すると彼女は、シクシク泣き始めて……。育児家事をこんなに頑張っているんだからご褒美くらい欲しいとか、私には楽しみも社会の接点もないなど、色々言われました。なら、家事育児を僕も分担するから仕事をして欲しいものは自分で買ったらどうかと提案すると、その発言はモラハラだと……。

 

いまだに定義がよくわからないんですけど、家族のために散々頑張って、家計が破綻しそうだから節約して欲しいとお願いしたらモラハラって……。その辺りから、すべてが辛くなりました」

筆者は元妻の言い分は聞いていませんが、たしかに祐介さんのお話の限りではモラハラには該当しません。そして、こうした言葉を安易に発せられると、建設的な話し合いがしにくくなるように思えます。

「家庭内で僕はなぜか悪者のような立場になり、妻は『パパが怖いからお買い物は我慢しようね』などと娘に発言するようになりました。また、日常会話で何かと『ごめんなさい』を連発され、ものすごく居心地が悪くなりました。なのに、買い物状況は相変わらずだったり……ストレスのせいか、この頃円形脱毛症になりました」

おそらく元妻は夫に対し攻撃的になることは少ないけれど、逆に「被害者」「弱者」のように振る舞い、相手を追い詰めるのが巧みだと感じました。特に祐介さんのように人の良い男性は、自分が加害者のように扱われると、それ以上何も言えなくなるようです。

「被害者ぶる」という戦法は、意外にも攻撃力が高いのかもしれません。

「家庭の空気も悪く、1人で抱え込めなくなり、恥を忍んで会社の飲み会で同僚に相談しました。すでに借金男としてネタになっていたので、取り繕う必要もないと思い。すると全員が、『正直、奥さんはけっこうヤバい』と口を揃えて言いました。お前もお金に関して甘すぎだとか、かなり説教され……ようやく目が覚めてきました」

祐介さんはクレジットカードの限度額を変えたり、銀行口座に元妻がアクセスできないよう手続きを取ることになりました。

「それを彼女に伝えると、もう子どもみたいに大泣きしていました。その姿を見て、まさに彼女は精神的に幼いんだと認識しましたが、この頃はもう元妻をねぎらう気持ちも気力もなく『また始まった』という感じで。

さらに『経済的DVを受けたから実家に帰る』と言われたのにカチンときて、なら離婚した方がお互いのためだと僕から口火を切ってしまいました」