親からもらった、自分の内側にあるものを燃やしたい
福本 私はお母さんにとって娘だから、自分の中に常にいるというか。体をもらったこととか、女性として生まれたこととか、あとは美しいものが好きとか。自分を労わることって気持ちがいいよねっていう感性もそうだけど、そういうものをお母さんからもらったなと思う。だからそれを燃やしたいんですよ、自分としては。だからこの本を森田先生と作りたいって思ったんですけど。
森田 ほんとだね。
福本 だけどお父さんは寂しさがあとからたくさん出てきているみたい。
森田 なんかわかる気がする。
福本 父は介護もずっと一生懸命で。お互い気持ちが不安定になって、私とぶつかることもたくさんあったんですけど。
森田 わかるわかる、だけど誰でもそうだよ。
福本 亡くなる数日前の夜に、妹と急にリビングに呼ばれて、すごい暗い顔で「実はな、お母さんもう長くないと思うんだ」って。私と妹はポカンとして「知ってるよ、だから帰ってきてるんじゃん」みたいなこととかもあって。お父さんは共感してもらえなくて、ウチの娘はなんでこんなに強いんだって呟いてた(笑)。
実際にお母さんが亡くなったときも、私と妹は「お母さんかっこよかったね」っていう感じで心の準備が一応できてたんですけど、お父さんは「眠れない」って夜中に暗い顔で起きてきたりして。
森田 すがりついてるでしょ……。でもね、私子供を産んでわかったんだけど、男の子は優しいよ。ウチの息子は女子大付属の小学校に通ったんだけど、そこはクラスに32人いたら男の子は8人とかで。
女子はほとんどの子がそのまま付属の中学校に行くんだけど、男の子は中学校受験をしなきゃいけなくて、そうしたらウチの子以外大部分は男子校に行ったよ(笑)。きっと女の人に触れてもう懲り懲りだと思ったんじゃないかな(笑)。
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