K-POPスタイルの広告戦略やマーケティング手法を取り入れることで、ベトナムの広告市場に新しい風を吹き込みたい


ヴァン・ミン・トゥ(ベトナム/広告会社マーケティング担当)

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グローバルな広告会社のベトナム支社で働いています。高校生だった6年前から、BTSのファン、ARMYです。彼らのブランディング手法に魅力を感じています。BTSのブランド価値はファンとコミュニケーションを取るスタイルにある。SNSでの細やかなやりとりや、常にファンを大切にする姿勢に惹かれます。マーケティングの世界で、BTSのようにブランドのファンダムを育て、バズらせる戦略を考えています。

 

ベトナムは近年急速に発展を遂げていて、特に音楽市場の成長は著しい。トレンドをリードしているのはK-POPです。私たちの会社もグローバルに展開する企業で、AIなどの最新技術を取り入れる方向性を模索しています。主な担当商品は清涼飲料水やビール、日用品などで、若い世代、特にMZ世代(編集注:1980年代半〜1990年代初頭に生まれの「ミレニアル世代」と、その後の1990年代後半〜2010年生まれの「Z世代(ジェネレーションZ)」の2つの世代を合わせたもの)をターゲットにしたブランディング戦略を考えています。例えば、BT21のようなマスコットによるブランディングを商品に取り入れることで、顧客の心をつかむアプローチができるかもしれません。また、ボーイズグループTEMPESTのベトナム出身メンバー、ハンビンなどをブランドアンバサダーにするのも可能性があると思います。

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マレーシアのスーパーにもBTSのドリンクが売られていました!

ただ、クライアントを説得するのは簡単ではありません。ベトナムが市場経済を導入したのは、1980年代半ば。広告はこの10年ぐらいで急激に発展してきた新しい分野で、SNSやファンダムマーケティングは上の世代には浸透していないのです。

でも、わたしはK-POPスタイルの広告戦略やマーケティング手法を取り入れることで、ベトナムの広告市場に新しい風を吹き込みたい。ファンダムカルチャーをもっと深く理解するために、これからも学び続けたいと思っています。