――これまで、ご自身が思うよりも反響があった動画はありますか。
だいじろーさん:驚いたのは、イギリス人とアメリカ人が、イギリス英語とアメリカ英語の違いで揉めるというネタが、日本で動画にしてみたらすごく受けたことですね。
たとえば、「pants」はイギリスでは「下着」だけど、アメリカでは「ズボン」という意味だ、とか、「1階」は、アメリカではそのまま「first floor」だけど、イギリスでは「ground floor」とか。
これは、英語圏だと30年くらい前からもう何十、何百回もこすられたような古典的なネタで、今これをやっても誰も別に感動したり笑ったりしないんですよ。
もう今だとアメリカでは当たり前すぎて全然笑わないというか、 何番煎じだよって話なんですけれど、日本ではすごく受けた。このギャップが僕的には驚きでした。
話が噛み合わないイギリス人とアメリカ人のコント
イギリス英語とアメリカ英語で揉める話を、日本人向けにやってるコンテンツがなかったから、日本人にとってはすごい新鮮だったんでしょうね。
元々は英語ってイギリスの言葉なのに、今はアメリカの経済力が強くなって、アメリカ英語がスタンダードになってしまっているんですよ。そのイギリス人のもどかしさみたいなものを、背景も伝わるように動画を作ったことで、全く英語に興味がない人でも楽しめるようになったのは良かったです。
――イギリス英語とアメリカ英語の違いって英語の教科書にも書いてあるので、 みんな知っているはずなんですけれど⋯⋯。
だいじろーさん:それで揉めているのが面白いんだと思います。サッカーを「soccer」と「football」どっちで呼ぶかみたいなのは、本当に当事者たちは怒っているんですよ。
そういう人を何人も見てきています。でも僕ら日本人からしたら、「どっちも英語じゃん」って思うんですけれど、人が揉めてるとこはなんか面白いみたいなっていう感覚なんじゃないですかね。
イギリス人がアメリカ人に怒っている動画
――その肌感覚がやっぱり日本人だとわからないですね⋯⋯。
たとえばイギリスのスタンドアップコメディやポットキャストなど、メディアで「もともとは『football』だったのに、アメリカの奴らは言葉を変えやがって」とか、「アメリカは温度には摂氏じゃなくて華氏を使ったり、インチやフィートを使ってなんでもややこしくする」みたいな話のくだりは、もう鉄板ネタで、何十年も前からやられている話なんですよ。
で、イギリス人がアメリカ英語に怒っている動画を字幕付きで解説を入れてアップしたらそれもすごく再生数が伸びたんです。
タルタルソースの発音について
――今後はどんな路線の動画をアップされていく予定ですか。
だいじろーさん:今後は基本、真面目な発音の動画ばかり出していきたいんですよ。
真面目路線で行くと、教育など大人の世界に関わっていけるので。
でも、どうしてもなんかふざけたがるところがあってなかなかシフトしていけていないんですけれども。あと、やっぱり興味を持ってもらう入口は、面白いコントのような動画でもいいと思っているので今までみたいなものも出していきそうです。
50歳くらいになれば「ふざけてるような年齢じゃないかな」って思えて、真面目路線に振り切れると思うんですけれど、今はまだじわじわシフトチェンジをしている感じです。
――真面目路線というのは、解説系の動画ですか。
だいじろーさん:はい。発音やアクセントの細かい部分の解説です。 イギリス英語の地方の方言についてや、「よく間違える発音」や「どうやったら発音が良くなるのか」というような真面目な話の動画です。今も英語のコーチングをしているんですけれど「この人って英語の発音でふざけているだけじゃなくて、ちゃんと発音を教えてるんだ。じゃあ教えてもらおう」って思ってもらえるようになりたいですね。
アメリカの方言に関する動画
永久保存版!英語発音の基礎から応用までをだいじろーさんが無料解説!
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だいじろーさんの動画で人気な、アメリカ人とイギリス人が揉める英語発音のコントは英語圏からすると古典的ギャグだったという事実に、日本との肌感覚の違いを感じました。キャッチーで笑える動画をフックに今後は真面目路線を目指すだいじろーさんの今後の動画をぜひチェックしてみてくださいね。英語の勉強になるはずです!
次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩
前回記事「クスッと笑えるコーデのビフォーアフターリールを一人で撮影・編集する「ジェリコ」さん」>>
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