今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがもうネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

第六回は、「色々あったけど結局変わったのは子どもではなく私だった」と、不登校のお子さんを育てる日々の中でのつぶやきをX(旧Twitter)で発信し続ける「不登校で変わったのは私」さんにインタビューしました。

 


子どもの不登校で悩んでいるのは自分だけじゃなかった


――お子さんの不登校についての投稿をはじめたきっかけは何だったのでしょうか。

不登校で変わったのは私さん:昨年の7月からTwitter(現・X)を始めたんですけれど、当時、夫が新型コロナに罹ってから立て続けに息子たちも感染してしまって、私は濃厚接触者になったので、家から出られない日々が続いたんです。悶々としてストレスが溜まって、ふとアプリをインストールして、愚痴を書き始めたのがきっかけでした。

それまではTwitter(現・X)は有名人がやるものだと思っていて、私みたいな何者でもない40代のおばさんが匿名で書いたものなんて誰も見ないだろうと、愚痴を書いてスッキリして寝たんです。でも、翌朝見たらフォロワーさんが何人かついていて、リプライもついていてすごくびっくりしました。

そこから「人と話せるんだ」というつながりが嬉しくて、細々とTwitter(現・X)をやっていたら、3カ月も経たないうちに、4000人ぐらいフォロワーさんがついていました。

「(投稿を読んで)電車の中で泣いちゃいました」とか、「すごくわかります」といったリプライをたくさんいただけて、それまでは子どもの不登校について本当に死にたくなるくらい一人で悩んでいた時期もあったんですけれど、私みたいに悩んでいる人が他にもいるんだ、と知ることができたんです。

――ご自身が思っていた以上に反響があった投稿はありますか。

不登校で変わったのは私さん:それは結構、毎回なんですよね⋯⋯。ふっと心に浮かんで書いたことでも、想像以上に反響を多くもらうことが多くて。先日の「1時間だけって約束で学校に行かせた日」についての投稿も、大勢の方から「わかります」と共感の声をいただいて、「みんな、こんな経験があるんだな」と思いました。

「最悪の結果をもたらしてしまった」という「1時間だけって約束で学校に行かせた日」の話

――お子さんが不登校になってみて、学校や国について「これはおかしいんじゃないか」と感じたことがあれば教えていただきたいです。

不登校で変わったのは私さん:先日、「不登校」の小中学生が2022年度に29万9048人いたというデータが出たんですが、10年連続で増加しているんです。


ただ、「不登校」の定義って「年間30日以上登校しない」というものなので、実際にはカウントされていない「不登校」の状態がたくさんあります。

たとえば、子どもが精神的に病んだ時に児童精神科に行くと何かしらの病名がついて「病欠」になります。あと、学校に行って教室ではなく、別の誰もいない空き教室に登校する「別室登校」、保健室に行って保健室の先生とちょっと話して帰ってくる「保健室登校」もですし、母親と一緒に登校して個別の授業だけ出てくる「母子登校」、不登校の子が行く「適応指導教室」も「出席」扱いになるんです。