芸人・俳優としてだけでなく、作家としても活躍する青木さやかさんは、『50歳。はじまりの音しか聞こえない 青木さやかの「反省道」』を出版しました。体のあちこちが痛む、世代交代の波で職場に居場所がなくなるなど、50代を迎えての変化、そして恋について赤裸々につづったエッセイ集です。今回は、年齢を重ねて挑戦した新しい働き方、お金に対する価値観、病気を経て変わった価値観などについてお話を伺いました。

 

青木さやか(あおき・さやか)さん
1973年愛知県生まれ。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントの道へ。「どこ見てんのよ!」のネタでバラエティ番組でブレイク。2007年に結婚、2010年に出産。2012年に離婚。現在はバラエティ番組やドラマ、舞台などで幅広く活躍中。著書に『』(中央公論新社)、『厄介なオンナ』(大和書房)がある。

 

50歳、何もしなければ仕事は先細り?


​ー​ー本の中で、「世代交代の波がきて、わたしは職場で居場所がなくなっているように思ったりする」「今のわたしの居場所はどこだろう」(『50歳。はじまりの音しか聞こえない 青木さやかの「反省道」』(世界文化社)p27)
と書かれていたのがすごく意外でした。ご家庭もあるし、すごく仲の良い友達もたくさんいらっしゃるのに、“居場所がない”って感じるものなんですか。

青木さやかさん(以下:青木):現場で中心でやっているメンバーが30代になってきた感じがするんです。ドラマとかで、私もお母さん役とかやれるなと思ったんですけど、もう既に30代の人がお母さん役をやってる。でも、おばあちゃん役になるには早い。上司となると、もう役員クラスになっちゃいますし(笑)。お局役って言ったってもう30代の人がやっています。あと本にも書きましたけどやっぱりテレビの世界は、おじさんと若い女の子の組み合わせが多いですよね。ま、もちろん抜きん出た才能の人は欲しいわけですから、そこに至ってないのは自分自身です。

写真:Shutterstock

ーー確かに周囲のフリーランスも、口を揃えて「50代になると1回仕事がガクンと減る」って言うんですよね。でも青木さんは、すごくご活躍されていますよね。

青木:減りましたよ。私の場合、あるとき考え方をパッと切り替えました。

ーーやっぱり年齢と共に仕事が変わってきたなっていう実感はあったんですか。

青木:あります。だから今までと同じようにただ仕事を待っていても、来ない。「あぁ、ないんだな」、「リピート来ないな」って考えるだけだと心身が不健康になるので、やめました。それで仕事の仕方を変えました。