たくさんお金を持っても全然幸せじゃなかった


ーー最近では税理士さんに初めてお金の相談をしに行って、お金と向き合っているそうですね。

青木:お金ってこわいなと思っているんです。お金って私を狂わせるんです。すごくもらってしまうと、本当にどうしていいかわからなくて。

ーーなぜそう思ったんですか?

青木:やっぱり幸せってすごく、小さなことにあるのかなと思うんです。やっと行けた旅行とか、やっと買えたブランド物ってちょっと幸せですけど、いざ「何でも買えるわ」「どこでも行けるわ」ってなったときのビジネスクラスって、そんなに喜びがなかった。何が一番怖いかっていうと、お金をものすごく稼いでしまうこと。そのときに、私がちゃんと生活に必要なお金プラスアルファだけを残して、募金できるかっていうと、やっぱり欲が出ると思うんですよね。私には準備ができていないと感じるんです。

「お金で得られるものって、実は多くはない」青木さやか、50歳で変わった働き方と価値観の変化_img0
写真:Shutterstock

ーーブレイクされたとき、すごく稼げたと思うんですけど、あんまり幸せじゃなかったんですか?

青木:幸せだと感じることができない当時の私でした。大きなお金があって幸せになれる! と思っていましたが、そうではなかった。一定のお金があり、安心感を得た後は、お金によって幸せだと感じることはできませんでした。お金で得るものって言うと、贅沢ですよね。贅沢以外に得られる幸せって何かあるかっていうとなかなか。もちろん、それで幸せな人もいるかもしれないけど、私はちょっとお金の使い方がよくわからなくて。

 

ーー私の場合お金がない苦しみが大きかったので、お金があれば幸せだと思ってしまいます。人生の不安はほとんどお金の不安で、それが消えるってすごく大きいなのかなって。

青木:その感覚もすごくよくわかります。不安は一瞬で消えると思いますけど、お金で得られるものって、実は多くはないんじゃないかなと思います。それに、お金で得られるものに幸せを見出すのが怖いんですよね。今は稼ぎたいと思っていますが、なんで稼ぎたいか、売れたいかって言うと、売れたら動物愛護の活動をすごくしやすくなるからなんです。

ーー稼ぐのは目的ではなく手段だと。

青木:そうですね。やっぱり影響力やお金があると、声を上げたときに聞いてくれる人が増えるじゃないですか。海外では、何らかのボランティア活動がしたくて有名になりたいという人も多いですよね。