「やりたいこと」より「やりたくないこと」を先に見つける

実践と失敗で培う「世渡り上手力」がこれからの武器!40代からのリスキリングを考える【後藤宗明×川良咲子】_img0

後藤 情報収集の範囲を広げて、今何が起きているのかを知ると安心するんです。そこからは、自分の興味関心を正しく知ることが大事だと思うんですね。何が好きで嫌いか、今までどういうスキルを身につけてきたのか、これからどんな課題を解決したいのか、どんな生き方をしたいのか……。色々と考えると思いますが、「やりたいことが見つからない」という方にいつもお伝えするのは、「やりたくないことを先に見つけてください」ということです。やりたくないことを潰していくと、必然的に興味関心が絞り込まれるからです。

また、「やりたいことが見つかりません」という方は、圧倒的に行動量が少ないために情報も少なく、「やりたくないこと」にも気づけない側面があります。だからこそ、「圧倒的に行動量を増やす」ことが必要です。ちなみに私には「やりたくないこと」がたくさんあったので(笑)、自分のやりたいことだけを取捨選択した結果、今の活動をしています。

 

ミドル世代は「捨てるべきもの」もある

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川良 スキルを習得しようとするとき、年代別で注意した方がいいことはありますか? 特にミモレ読者のみなさんは40〜50代の方が多いので、こうしたミドルエイジの方たちのポイントがあればぜひ教えてください。

後藤 前提としてお伝えしたいのは、「スキルの習得」に「年齢」はあまり関係ないということです。何歳からでも新しいことを学べるというデータもありますし、「もう60歳だから新しいことなんて覚えられない」かというとそんなことはありません。高齢の経営層の方たちも、好きなプロ野球のチームの選手はフルネームを全部言えたりするわけです。自分の好きなことにはちゃんと関心が向くし、記憶力も働くんですね。つまり、「自分事になっているかどうか」が大事なんです。

ただ、キャリアという括りで考えると、40〜50代は「アンラーニング」もすごく重要になってくるんじゃないかなと思います。

川良 「アンラーニング」という言葉、最近聞くことが増えましたよね。初めて聞くという方もいらっしゃると思います。

後藤 「アンラーニング(Unlearning)」は、今まで学んできたことや習慣、仕事での成功体験などを意識的に捨て去ることです。働き方が急速に変わっていく今、これまでの仕事のやり方では通じないといったことが起きてくる。ですからキャリアが長い方ほど意識的に、外部環境の変化に合わせて、過去の習慣や成功体験を「捨てていく」「切り離していく」ことが必要になってきます。