リスキリングに関心がない会社は、組織として危うい

実践と失敗で培う「世渡り上手力」がこれからの武器!40代からのリスキリングを考える【後藤宗明×川良咲子】_img0
 

川良 前回の対談記事で後藤さんは、リスキリングは企業や組織で行うことが重要、と教えてくださいました。これからリスキリングしたいと考えている人は、どのように働きかけるのがよいでしょうか。

後藤 まず一人で始めず、「リスキリングの環境を整えたい」と会社に相談することが重要です。交渉がうまくいくとは限りませんが、そんな時は「リスキリングの環境を用意しない会社に、そのまま残っていて大丈夫か?」とご自身に問いかけてみてください。

リスキリングは今後、働くすべての人の課題です。少し厳しいことを言えば、リスキリングに関心がない会社というのは、組織としては非常に危うい。例えるなら、沈んでいくタイタニック号にそのまま乗っているようなもの。だから、そこから脱出することも選択肢の一つになると思います。

川良 リスキリングは「やって終わり」ではなく、現場で活かしてこそですよね。転職をするという選択肢もありますが、例えば副業やボランティアなどで活かすのはどうなのでしょう。

後藤 もちろんいいと思います。学んだことを活かす環境や機会が欲しいとなった時の次のステップとしては、副業・兼業へのチャレンジがあります。それに、普段は会社で営業として働いていて、週末にボランティアでウェブサイトの開発をやっているという方もいます。とにかくリスキリングは「実践すること」がポイントなんです。

川良 リスキリングで得たスキルは現場で磨く。そうして磨かれた技術なら、その先どんなキャリアの展開になったとしても役に立ちますもんね。リスキリングとは学びそのものではなく、学びの先の実践があってこそ活きるもの。今日はそのことをすごく学びました。

 
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『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング【実践編】』著者:後藤宗明 日本能率協会マネジメントセンター 2035円(税込)

AIやロボットなど、テクノロジーの進化と共に、「リスキリング」の重要性が叫ばれている。「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」が求められる今、リスキリングを実践するためにどうすればいいのか、その現在地から未来までを俯瞰し、豊富な事例を挙げながら具体的なステップを著者が教える。リスキリングは「本来は企業などが従業員(個人)に対して提供するもの」、リスキリングの「年代別スキル習得に向けた注意点」など、これからの働き方を知りたい人に役立つ一冊。本書はリスキリングの「青本」と呼ばれ、「赤本」と呼ばれる前著『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」(主催:グロービス経営大学院、フライヤー)のイノベーション部門賞を受賞した。


イラスト/Shutterstock
取材・文/ヒオカ
構成/金澤英恵
 

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