時間はかかっても次世代が明るい未来を描けるように
——近ごろはアーティストが新曲の情報を出す際にダンスを手掛けた振付師の名前もアピールされるようになりました。振付師を取り巻く環境が変わってきた実感はありますか?
kazuki:昔よりも各アーティストのファンの方々が振付の深い部分まで楽しんでくれている実感はあります。SNSのコメントを見ると、ひとつひとつの動きに込められた意味を噛み砕いてくれている人が多いですし、振付師も歌詞やメロディーに寄り添ったダンスを作る人が増えてきていて。昔よりも振付が楽曲の一部として認識されるようになったのは嬉しいことです。
shoji:僕らも振付師という肩書きを背負って表に出る機会が多いですし、昔よりも注目度が上がっている気がします。近年は韓国や中国でレッスンをするダンサーも増えていて、現地では街を歩けないくらいの人気者もいるんです。ダンサー・振付師の可能性がどんどん広がっているのは間違いないですね。
NOPPO:日本でも菅原小春やRIEHATAのようなスターが生まれていますが、もっともっと子どもたちが憧れるような存在が出てきたら面白くなりますよね。僕らが来年フェスを主宰するのは、自分たちが成長したい気持ちもありますが、次世代を担うダンサーを集めてスポットを当てることも目的のひとつです。
——一流の振付師が手掛けるダンスは楽曲の一部であり、楽曲が広く拡散するためには欠かせない要素でありながら、作詞作曲のような著作権は発生しないと思います。その状況を変えたい気持ちはありますか?
shoji:そこに関しては状況を変えていきたいといろいろな方と話し合っています。状況が変わるまでには長い時間がかかるので、僕らが現役の間はあまり変わらないかもしれないですけど(笑)。次世代のダンサーが明るい未来を描けるように、僕らにできることを探しているところです。僕らも世代が上になってきたので、自分たちのためだけに活動するのは限界があって。今後は少しでも若手にいい影響を与えることをモチベーションにしていきたいですね。
——でも皆さんの場合は5年後の結成20周年でもバリバリ現役で踊っていそうですね。
shoji:僕、ひとつ目標があるんですよ。今年は15周年を記念した「Get on the floor」という楽曲を作って、振付はグループ史上一番激しくしたんですよ。だから20周年は、それを超える激しい楽曲を作って披露したいと思います。誰も望んでいないハードルを超えることにチャレンジしたいなと(笑)。
kazuki:今のは彼の個人的な目標なので、他の3人は関係ないです。
NOPPO:シッキンを卒業してソロダンサーとしてやってください(笑)。
shoji:いやいや、一緒にやるんだよ!
kazuki:5年後には全員40歳を過ぎているから、1日2公演は禁止にしたいですね。
NOPPO:それは大賛成!
Oguri:個人的には、20周年のタイミングで、初の単独公演『THIS SHOW IS s**t』をもう一度やってみたいですね。過去の自分たちと戦ってみたいです。なんだかんだ、自分たちが現役を続けている姿は想像できるかな。
shoji:意外とここまで元気に踊れてこれたので、あと20年ぐらいはバリバリ踊れるような気がするな。円熟味が増した自分たちに期待します。
インタビュー前編
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スタイリスト/森田晃嘉
ヘア&メイク/NORITAKE
取材・文/浅原聡
構成/坂口彩
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