国は「学校に無理して行かなくていいよ」と言うけれど⋯


――では、実際には「不登校」の子は30万人以上いるということですね。

不登校で変わったのは私さん:30万人どころじゃないと思います。あと、この数は「小中」なので、高校生も含むととんでもない数になるんじゃないでしょうか。
文部科学省は「学校に行きたくなかったら無理して行かなくていいよ」と言うんですけれど、じゃあ、家で何年も親が見ていなければいけないのか、という話で。
フリースクールもありますけれど、学費がすごく高いです。適応指導教室に行ける子はいいですけれど、そこにも人間関係があるので行けないという子はどうしたらいいのか。

うちは兄弟で不登校だったので、5年間不登校の親を経験したのですが、その間、親の負担がものすごかったです。それはフォロワーさんの中でもよく聞く意見で、特に母親が疲弊しているんです。

母親の負担について語った投稿

コロナで一斉休校になった時期がありましたよね。あの時、日本中の親御さんがずっと子どもが家にいる状態を体験したと思うんです。あんな状態が何年も続くのを想像してほしいです。

仕事している母親が仕事に行けなくなることもあります。不登校の子だと、たとえば「1時間だけなら学校に行ける」という時があるんです。すると親なら、少しの時間でも行かせてあげたいと思うじゃないですか。すると親も送迎しなければいけない。「お母さんが一緒に行ってくれるなら行ける」というなら、ついていかなければいけない。どうしても母親に負担がかかるんですよね。

不登校の子を持つお母さんたちの支援を国がしてくれないと、精神的に病んでしまうのではないかと思います。


――国は「学校に来なくてもいいよ」と言うだけだから楽ですよね。実際に負担を担うのは母親なのに⋯⋯。学校や国に対して「もっとこうだったら」と思うことはありますか。

不登校で変わったのは私さん:いろんな方がすでにおっしゃっていると思うのですが、やはり学校のあり方が変わってほしいです。昔から変わらない教育の仕方だったり、子どもに「みんな同じ」を求めることだったり。
昔は、先生が怒鳴って生徒を叱るのは当たり前でしたが、誰かに怒鳴っているのを聞いただけで苦しくなってしまう子もたくさんいるんです。敏感だったり、繊細な子は学校に行けなくなってしまう。


もうちょっと自由であってほしい。今の学校は、自由を求める=わがまま、って捉えることが多いと思うんですが、もっとどんな子でも受け入れてもらえるようになってほしいです。


でも、先生の方も疲弊しているんですよね。私の投稿に対して、学校の先生をやっている人から「生徒全員の面倒は見きれないから、不登校になったら家庭で勉強をやってくれ」といった批判が来ることがあります。

先生も日々の業務でいっぱいいっぱいで、不登校の子に深く関わる余裕がないのだと思います。そして、余裕のない先生と接することで、子どもが何かを感じ取って学校に行けなくなってしまう。で、不登校になると、親も負担がのしかかってきてイライラして⋯⋯って、悪循環になってしまっている感じがします。この悪循環を変えてほしいですね。

不登校の子どもがこんなに増えているというのは、今の学校のあり方を変えなければいけないというメッセージなのだと思います。

あと、親も変化が必要なのかなって。