読み語りで絵本をすっかり覚えてしまった愛子さま


年月が経ち、雅子さまは皇太子浩宮さま(今の天皇陛下)とご結婚し、皇太子妃となられました。やがて待望の赤ちゃん、愛子さまがお生まれになったのです。

2004年9月24日、愛子さまのビデオが公開されました。宮内庁職員と浩宮さまが撮影された3分ほどの動画です。映像には、2歳の愛子さまのかわいらしい様子が映っていました。

映像には、絵本を読む愛子さまの姿が映されていました。ピンクのTシャツを着た愛子さまが、浩宮さまとお話をされながら絵本をめくっています。ときおり撮影をされる浩宮さまに、「パパー」と愛くるしい声で呼びかけます。

絵本は『うずらちゃんのかくれんぼ』(きもとももこ作)。愛子さまは、絵本をめくる時に、

「もういいかい、まあだだよ」
「うずらちゃんはどこにいるのかなー」

などとおしゃべりをしています。ところがです、おやおや? 絵本は上下がさかさまです。愛子さまは絵本をさかさまにして、お父さまにページを見せながらお話されているのです。

きっと、何度もなんども繰り返し読んでいただいているうちに、愛子さまは内容をすっかり覚えてしまわれたのでしょう。日ごろ、雅子さまが愛子さまに絵本の読み語りをされているのは、よく知られていましたから。

【雅子さま秘話】お気に入りは『フランダースの犬』。海外暮らしの長かった雅子さまに日本の心を伝えた、お母さまの“読み語り”_img0

写真/宮内庁提供

本の読み語りと同じように、雅子さまは日本の文化も大切にされてきました。今年2023年10月22日には、天皇陛下と愛子さまが皇居・宮内庁楽部で行われた秋季雅楽演奏会を鑑賞されました。宮内庁楽部が演奏する雅楽は、ユネスコ無形文化遺産にも記載されています。

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2023年10月、秋季雅楽演奏会をご鑑賞される天皇陛下と愛子さま。写真/JMPA

学習院大学文学部日本語日本文学科にご在学中の愛子さまは、日本の伝統芸能の授業も受けられています。「楽しみにしていました」と語り、熱心に質問しながらご覧になった愛子さま。日本の文化や言葉を大事にする心は、雅子さまから愛子さまへ受け継がれています。

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●参考文献/『美智子さま雅子さま 涙の日、深まる絆』『美智子皇后と雅子妃 平民妃十年の苦闘』(ともに渡邉みどり著、講談社)、『天皇家の姫君たち』(渡辺みどり著、文春文庫)、宮内庁ホームページ

キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。
 

バナー写真/JMPA
構成・文/高木香織
編集/立原由華里


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