50代から「部屋の片付け」と「家族への情報の共有」をしておこう
――どれくらいの期間通われていたんですか。
はっちゃんさん:これはもう私、最短で卒業しようと思っていたんです。で、短大卒だったので二年の編入扱いみたいな感じになっていたので、三年で卒業しました。
ゼミの時には学校に通うんですけれど、普段はオンデマンドの授業だったので、一週間のうちに自分が取得できる単位分の講義を見るというのをずっと繰り返していました。
――ゼミの時、現役大学生の皆さんと接してみてどんなことを感じましたか。緊張しませんでしたか。
はっちゃんさん:みんな若いのにすごいなと思いましたね。将来のこともちゃんと考えてるし、勉強に対しても真剣に取り組んでいるので、私が21、2歳の時にはこんなふうには考えられなかったな、と恥ずかしいぐらいでしたね。
あと、緊張については、私と同じような人が他にもいて、全部で6人ぐらいいたので気にならなかったです。早稲田は私の方に社会人で入ってくる人が多いので、現役大学生の方も、全然そんなの全然気にしてらっしゃらない感じで受け入れてもくれるし、こっちからも入りやすい雰囲気だったので気楽でした。
――そうなんですね! そういう情報も自分から調べないと得られないので「大人の学び直し」に興味があっても、大学では周りは全員現役大学生で入りにくいのではないか、と思い込んで躊躇う人も多いんじゃないかと思います。
――終活について「50代じゃまだ早い? いやいや、そんなことはない。」というポストがありましたが、ミモレ世代が、今のうちにしておいた方がいい準備や心構えがあれば教えていただきたいです。
残酷ですが、50代はこの先かならず迎える老後を左右する重要な時期。「あの時やっておけば良かった」「もっとちゃんと考えておけば良かった」と老後や人生の最期で思いたくないから、今すぐ動く一択。食事、運動、カラダのメンテナンスは必須。そして、老後のために絶対やっておきたい大事なことは↓
— はっちゃん | 50代が楽しい人 (@55_hatchan) October 26, 2023
「終活」
50代じゃまだ早い?いやいや、そんなことはない。50年以上酷使したカラダ。いつ何があるかわからないのだ。どこへでも行けて、なんでもできる50代のうちに、身の回りの整理を少しずつ。長年抱えてきた荷物が軽くなれば、ココロも軽くなる。そして、この先の時間をより軽やかに使っていける。
— はっちゃん | 50代が楽しい人 (@55_hatchan) October 26, 2023
はっちゃんさん:まずは、一般的にもよく言われることですけれど、「部屋を片付けておく」ことですね。うちの母は全然部屋を片付けられないまま、体調が悪くなってしまったので、 今はこれ本当にどうするんだろうって思っているんです。
あと、何がどこにあるのかを家族に伝えておかないといけないです。モノだけでなく、資産として何を持っているのかも。自分だけで情報を持っているのではなく、何かに記しておくなど、「家族に情報を共有する」こと。残された人が本当に困るので。これも自分が「ちょっと具合悪くなったな」って時ではなく、元気なうちにやっておかないとできなくなりますから。
普段からこれらをやっておかないといけないな、と思いつつ私もできていないのですが⋯⋯。
――ご自身が思っていた以上に反響があったポストはありますか?
はっちゃんさん:現在80代(当時は70代)になった叔母についてのこのポストですね。
70代後半の叔母がすごい。独身をつらぬき、両親を看取り、弟をも看取った。実年齢より15歳以上は若く見え、60代にストーカー被害でニュースになり、定年後は家を建て替え、70代で同棲を開始。今度は80代の彼氏の最後を看取る覚悟。こんな生き方がカッコいい老後をワタシも送りたい。
— はっちゃん | 50代が楽しい人 (@55_hatchan) July 8, 2022
このポストには、「70代なのにすごい」とか「私もそういう風になりたい」とか憧れるようなリプライがたくさんついて、ネガティブな内容のものはなかったんですよね。
――えっ、すごくモテる方なんですね!
はっちゃんさん:そうなんです。今はパートナーがいて一緒に住んでいます。70代という年代のイメージとは全然違った感じなので、反響が大きかったのかなと思います。私自身もこうなりたいですし。ストーカーされるのは嫌ですけれど(笑)。
――確かにカッコいい生き方で憧れますね。では、最後にミモレ読者の皆さんに向けて、50代おひとり様の人生を楽しく過ごすマインドについてメッセージをいただけたらと思います。
はっちゃんさん:もう、自分のことだけ考えて生きていけばいいんじゃないかなって思います。これまで家族や人のために生きてきた人が多いと思うので、自分の人生をどうやってこれから楽しく生きていくかってことに優先度を置いて、自分が心地いいことを追求して生きていけばいいんじゃないかな、って思います。
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「やりたかったことはひとつ残らず全部やっちゃうつもり」というアクティブなはっちゃんさんの大学入学のリアルな話を聞いて、若い頃にあきらめた勉強や進学も、時期が変われば自分も状況も変わって、意外と簡単にハードルを超えられる可能性があるんだなと感じたインタビューでした。「大人の学び直し」をしてみたい方が一歩踏み出す手助けになれば幸いです。
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次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩
前回記事「子の不登校で「頑張る」昭和的価値観から抜け出す難しさを感じた「不登校で変わったのは私」さん」さん」>>
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