「このままではいけない」から始まる新しい広がり

2023年は、大きな変化が到来する2024年以降の「準備の年」であり、「新しいことが始まる予感を感じさせる1年になる」と水晶先生は伝えていました。こうした流れに関連する気になるトピックスとして今回取り上げてくれたのは、政治にまつわる話です。

「10月からインボイス制度が導入されましたが、これに反対する署名がオンラインで54万筆を超え話題となりました。これまでは『政治は政治家に任せておけばいい』と思っていた人たちも、このままではいけないのでは? と危機感を募らせて新しい方法で行動を起こしている。

【当たりすぎて怖い】水晶玉子の2023年答え合わせ占い「長年沈黙されてきたことが一気に表面化した“浄化”の1年に」_img0
イラスト/Shutterstock

オリエンタル占星術では、2024年は『鬼宿(きしゅく)』の年です。“人ならざるもの”という意味もありますが、インドでは“蒔かれた種から芽が育ち花が咲く”といった、人智を超えた大きな力という意味も。例えばこの署名活動のように、今までは考えられないような始まり方・広がり方を見せる新たな動きが、来年にかけてますます増えていくでしょう」

 


過去の成功体験で得た「夢の賞味期限」が切れる時

なぜ今、浄化が必要であり、新しい芽が育ち始めているのか。その理由について水晶先生は、「十干十二支は60年で一巡しますが、2023年の『癸』は十干の最後の年。2024年の『甲』は10年サイクルの新たな周期が始まろうとする年だからです」と話します。

「少し大きな流れで見ると、60年前の『甲辰(きのえ・たつ)』の日本は東京オリンピック開催(1964年)に伴う大規模なインフラ整備が行われ、戦争による焼け野原からの復興を遂げて高度経済成長へと弾みをつけた年でした。つまり、日本人が大きな夢を抱けた時代だった。さらにその約60年前は日露戦争(1904年)で、当時最強といわれた大国ロシアに島国日本が勝利しました。

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当時の市内道路の渋滞を回避して大会会場に到着できるよう、オリンピックに向けて整備された首都高速道路(写真は1960年、赤坂見附付近)。写真:ZUMA Press/アフロ

まさに“強い日本・豊かな日本”を夢見た年で、その後も頑張れたけれど、夢には賞味期限があるのかもしれない。実際、日露戦争やオリンピックの成功体験を引っ張りすぎて、泥沼の第二次大戦や、散々だった二度目のオリンピックにつながっている気がします。干支や占星術には必ず周期があるように、この世界もずっと同じ状態でいることはできないからです。60年は少し長くて、実質的にはその折り返し地点の30年くらいが、夢の賞味期限といっていいかもしれません。

夢には発展や進歩をもたらす力があります。だから、夢を見るのはもちろんいいこと。でも、今は120年前とも、60年前とも、30年前とも違う。夢が醒める瞬間に立ち会うことはショックかもしれませんが、裏を返せば私たちは、過去の成功体験とは違った形の夢を描ける時代に生きているということ。そのことをぜひ感じ取ってほしいと思います」

水晶玉子(すいしょう・たまこ)さん
占術研究家。西洋・東洋の枠を超え、多様な占術を研究、執筆。「ダウンタウンDX」「ゴゴスマ」等のTVやラジオに多数出演。空海が日本に伝えた宿曜経を現代に活かしたオリジナルの「オリエンタル占星術」は、“魔のウィーク”や“六害宿”など毎日の運勢が怖いほど当たる!と定評があり、ファン多数。『MEN'S NON-NO』『CLASSY.』などの雑誌連載や特集、「オリエンタル占星術」「新ペルシャン占星術」などの占いサイトも好評。LINE、Facebook、Instagram、X(元ツイッター)@Suisho_Tamakoでは暦や、話題の出来事、愛するうさぎについて発信中。

 

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取材・文/金澤英恵
構成/山崎 恵
 

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