──エッセイでは、足湯の近くに捨てられていた「足湯さん」のように、一般の人からの連絡で動いたりもしていましたね。
「足湯さん」は、見つけた人が近くで犬猫を扱っている人を探してドッグトレーナーさんに行き着き、横のつながりで連絡をもらいました。多くの人が最初に繋がるのは保護団体ですが、動物病院から繋がることも。インスタで連絡を受けて、余裕があれば出向いて引き取るケースもあります。
──保護活動者が引き取った後、動物はどうなるんですか?
病院で健康状態をチェックし、必要ならば治療や避妊手術をします。その後、犬の場合は①里親を探す ②そのまま飼う、の2パターンです。
猫の場合のみ③「地域猫」としてリリースする(TNR)というパターンがありますが、感染症や交通事故やカラスなどの外敵の多さや縄張り争いなど、外で暮らす猫達を待っているのは過酷な生存競争です。
一般的な猫の平均寿命が15歳以上であるのに比べて、野良猫の平均寿命は4〜5歳だと言われています。
できることなら、全ての猫を安全な室内でお世話できるようにしてあげるのがベストなのですが、野良猫大国である日本では、全ての猫に里親さんを見つけてあげることは厳しい現状です。猫の繁殖力は脅威なので、次から次へと子猫が生まれています。しかし、野良猫の子猫で成猫になれる確率はたった2割。
不幸な運命を辿る猫が少しでも減るように、リリースをして、地域猫として地域の方みんなで見守っていく……。それがリリースで重要なところだと思います。
※TNR=捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)ことです。
──今はご自宅にどのくらいの犬猫がいるんですか?
猫が6匹、犬が6匹です。
もちろん無理して飼っているわけでも、野良猫すべてを連れてきているわけでもないんですよ。「足湯ちゃん」も来た頃はすごく“シャーシャー”だったんですが、単純に「私が世話しないとこの子生きていけないよね」という感覚です。私が「人を信じさせてあげるんだ!」みたいな大層な思いは全然なく、ただの“変態レベルの動物好き”というだけです。
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