日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、「独身いじり」にモヤモヤするというエピソードです。

 

「そこの二人、いつくっつくの(笑)?」


エピソードをお寄せくださったのは、不動産会社で事務職として働くイクミさん(40歳・会社員)。


恋人いない歴5年です。「40歳までに結婚したいな」と漠然と思っていたのですが、コロナ禍もあり……。いつの間にやら、今年40歳になってしまいました。

周囲の同世代男性は既婚者ばかり。一緒に合コンしていた友人もみな結婚したり、「もう一生独身でいい」派に鞍替えしたり。アプリはなんだか抵抗があり、すっかり手詰まりな状況です。

そんな悶々とした状況だからこそ、地味にモヤモヤすることがあります。

私の職場は、20代の若手はおらず、30代半ばから50代の人が中心です。私はちょうど真ん中くらいの世代なのですが、私以外は一人を除いて全員既婚者。その唯一の30代独身男性と私を、周囲がネタ的にくっつけようとするんです。

懇親会で50代の上司が、「おーい、そこの二人。いつくっつくの?」とからかってきたり。年上の女性から、「イクミさんはどんな人が好みなの? Aさん(独身男性)はダメなの?」と言われたり。Aさんの方も、「姉さん女房はどう?」「イクミさんにアタックしたらいいのに!」と色々言われています。

Aさんは悪い人ではありませんが、恋愛対象にはなりません。いつもやんわりと話をそらせるのですが、周囲の「余りもの同士をくっつけよう」みたいな気持ちが透けて見えて、辛いです。「早く異動したい……」と念じる今日この頃です。

 


「独身いじり」はセクハラです

 

独身いじり、若者いじり、学歴いじり、性別いじり……。職場での「いじり」って、逃げ場がなくてしんどいですよね。いじってくるのが上司や先輩だった場合、「それ、やめてください」とはっきり言いにくいなと悩んでいる人も多そうです。

そもそも職場は「仕事をする場所」。プライベートの、しかも未婚・既婚に関するようなセンシティブな話題を出すことには気を付けなければいけない場所のはずです。この辺の感覚が薄い人がいるのは、悩ましい問題ですね。

とはいえ、モヤモヤさせられている側が我慢する必要はないはずです。いじり・いじめ・ハラスメントって、「被害者側が空気を読んで我慢する」文化があるような気がしますが、最近はSNSなど「声を上げる場」が増えてきたこともあり、少し状況が変わってきたように思います。加害者になりえる側も、炎上リスクを抱えるようになりましたしね。

 
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