日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、子育てにまつわるモヤモヤエピソードです。

 


「ママは子離れできそうにないね」


エピソードをお寄せくださったのは、高校生の娘さんを育てるカオルさん(48歳・専業主婦)。


高校三年生の娘がいます。大学受験に向けた勉強も佳境に入っており、ドキドキハラハラと娘を見守っています。

娘とはとても仲が良く、反抗期もほとんどありませんでした。中学受験も二人三脚で乗り越え、毎日帰宅すると何があったか教えてくれます。高校に入ってからは友達付き合いも増えましたが、2年生になると受験準備が始まるためそこまで羽目を外すことはなく。私も万全の体制で受験にのぞむため、パート仕事を辞めました。

先日、娘の進路について夫と話していた時のこと。「そんなにママの言う通りに決めてしまって、あの子はそれでいいの?」と言われたのです。オープンスクールにも説明会にも同行し、色々アドバイスしたのは確かです。でも、優柔不断なところのある娘が一人では何も決められないし、嫌がるものを強制したつもりもありません……。

「あの子は、ママが全部答えを用意してくれることに慣れきってしまっている。もう大学生になるんだし、もっと子離れした方がいいよ」

放任主義の親に比べたら過保護かもしれないけれど、私は心配症なので口を出さないでいる方が辛いんです。これまでは自分を、「親業をサボらない献身的な母」だと思ってきました。でも、普段は穏やかな夫が珍しく強い口調で……。私は「子離れできない母」なのでしょうか?

 


難しい母子の関係

 

「友達親子」「姉妹のような母娘」「教育ママ」……。母子の関係を表す言葉がたくさんあることが示すように、母と子のあり方は千差万別ですよね。カオルさんと娘さんはとてもうまくいっている親子のようですが、二人を一番近くで見ているご主人からすると何か思うことがあったのかもしれません。

娘さんに寄り添い、目の前の課題に共に取り組んできたカオルさんは間違いなく素晴らしいお母さんです。きっとご主人も娘さんもそう思っているはず。

母子関係の難しさの一つに、「ずっと同じ関係ではいられない」と言うことがあると思います。

子どもは成長していきますし、親は老いていきます。「世話好きの母」と「お母さんが大好きな子ども」という関係も、子どもが思春期に入り母の手が及ばない世界を持ち始めると、うまくいかなくなるかもしれません。逆に、放任主義だった母子でも、子どもが何か大きな壁にぶつかったときは「避難場所としての家族」を必要とする場合もあるかもしれません。

 
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