映画『隣人X -疑惑の彼女-』の舞台は、現代とよく似た架空の日本。巷では、国が受け入れを表明した「惑星難民X」の話題で持ちきりです。「X」はある惑星で起きた紛争によって地球に逃げてきた難民なのですが、見た目が人間と全く変わりません。そんな彼らに不安を覚え、偏見と差別の目を向ける人々。外国人労働者やコロナウィルスの感染者、LGBTQやジェンダー差別、ウクライナやパレスチナの戦争……「隣人X」と彼らを巡る騒動は、観客に様々なメタファーを投げかけます。
パリ在住の原作者・パリュスあや子さんと、映画で良子を演じた上野樹里さんが、そこに見たものとは何だったのでしょうか?
上野樹里
1986年、兵庫県生まれ。2003年、『ジョゼと虎と魚たち』(犬童一心監督)で映画デビュー。初主演作『スウィングガールズ』(04/矢口史靖監督)で注目を浴び、第28回日本アカデミー賞新人俳優賞、第26回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞し、大きな注目を集める。熊澤尚人監督とは『虹の女神 Rainbow Song』(06)以来17年ぶりにタッグを組む。主な出演作に『のだめカンタービレ』シリーズ(09~10/武内英樹監督)、NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」(11)、『陽だまりの彼女』(13/三木孝浩監督)、『ビューティー・インサイド』(15/ペク・ジョンヨル監督)、「監察医 朝顔」シリーズ(19~21/CX)などがある。10月にはミュージカル「のだめカンタービレ」で主演を務めた。
パリュスあや子
1985年、神奈川県生まれ、フランス在住。広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映像研究科・脚本領域に進学。2015年歌集「その言葉は減価償却されました」を上梓。「山口文子」名義で映画『ずぶぬれて犬ころ』(19/本田孝義監督)脚本を担当、本作で第14回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。自身にとって初の映像化作品となる。他の著作に『燃える息』、『パリと本屋さん』がある。
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