小さなときめきも、「セクシャリティを楽しむ」ことのひとつ


人間は、性のエネルギーを、こころとからだの中で巡らせて響かせて生きています。いま、性欲が湧かないという人は、まずこころとからだの声に耳を傾けてみるといいでしょう。

そのときに大切なのは、現実も状況もいつもと同じであったとしても、「あんなことがあったらいいな」「そしてこうなったらいいな」と、妄想を楽しむこと。妄想を楽しむこころの余白は、やがて「あの人に会ってみたいな」「こんなところに行ってみたいな」というわくわく感に繋がっていきます。

そうやって、自分の中にもちゃんと「こうありたい」というエネルギーがあることや、すべてやる気がなくなってしまったわけではない、ということを、内側で確認する時間をもちましょう。妄想を紙に書き出してみるのもいいですね。素敵なアーティストの推し活でもいいし、イケメンがいる美容院やジム、カフェに実際に足を運んでみる……等々、なんでもOKです。そんな「きゅんとする」ことの小さなひとつひとつも、れっきとしたセンシュアリティ。


自分の中でわくわくする力こそが、女性性


ハッピーな妄想や予定を自分の中で作ること。それも、「セクシャリティを楽しむ」ことのひとつと言えるでしょう。

恋愛にまつわる妄想ができなかったら、「もし宝くじに当たったら、どうしようかなぁ」という夢物語だって構いません。カナダの作家L.M.モンゴメリの『赤毛のアン』をお読みになった人もいることでしょう。主人公のアンは、それこそ「妄想が得意」な少女。たとえ赤毛の、完璧な美女ではなくても、孤児で社会的地位は低くても、自分の想像力と明るさで、人生を切り開いていくことの大切さを伝えているこの物語は、私も少女時代、大好きでした。

 

妄想は、頭の中のストーリーを膨らませていくこと。そして、自分の中でわくわくする力こそが、女性性です。どちらかというと左脳(論理的思考)が発達している男性とは違い、右脳(直感的なひらめきやイメージ)が発達している女性は、いい意味で、自分にとっておめでたいことをあれこれ考えるのが、本来得意なんですよね。