3歳でお菓子缶の魅力にハマり47年。いまだ飽きることなくお菓子缶を追いかけています。

「一体なぜお菓子缶にハマったのですか?」、「あの大量のお菓子缶をどうやって収納しているのですか?」。お菓子缶の本を出して以来、いろいろな人から聞かれるようになりました。お菓子缶にハマって47年。改めて、なぜこんなにもお菓子缶にハマったのか、その変遷を振り返ってみました。

 


1976年。アメリカのキャンディ缶との出会いがすべての始まり

お菓子缶の世界にハマるきっかけになった、「CHARMS」のキャンディ缶。

「ロッキード事件」でざわついていた1976年。当時3歳だった私はその当時の日本がどんな空気感だったかもう覚えていません。しかし子門真人さんの「およげ!たいやきくん」や細川たかしさんの「北酒場」、イルカさんの「なごり雪」がヒットしていた時代と言われると、なんとなくあの当時のことを思い出せる気がします。歌は時代の写し鏡ですよね。

お菓子の世界で言うと、この年はのちのちまでヒットする息の長い商品が生まれており、「チップスター」やアイスの「ピノ」、「ポポロン」に「ハッピーターン」、北海道銘菓である「白い恋人」などが誕生しています。

そんな1976年、祖父に連れられてスーパーマーケットの「紀ノ国屋」に行ったときのことです。当時の「紀ノ国屋」は今以上に、“外国の空気感”が強く、取り扱っている商品も普段見たことのないものばかり。外国に来てしまったような、子ども心にもワクワクする場所でした。そこで見つけたアメリカのキャンディ「CHARMS(チャームス)」の缶。その衝撃と言ったら……!

1974年に登場した“二代目シガール缶”と、今はなき、芝公園の伝説のレストラン「クレッセント」のクッキー缶。

それまで缶といえば、祖父や父宛てに贈られてくるお中元やお歳暮の缶しか見たことがなく、それらはみな、“大人向け”のデザインばかり。「鳩サブレー」の缶しかり、「泉屋東京店」、「ヨックモック」、「ゴンチャロフ」「モロゾフ」……etc.祖母や母は「素敵ね!」と言っていましたが、子ども心にはちっとも刺さらなかったのです(笑)。今でこそ、「鳩サブレー」の缶や「泉屋東京店」の缶の“時代が変わっても飽きないデザイン”の素晴らしさに感動しますが、3歳の子どもにはわかりませんでした。

そんな中出合った「CHARMS」の缶。子どもでも持てる手の平サイズに鮮やかな色合い。私にとっては“宝箱”のように思えたのです。これが“すべての始まり”でした。以来、お菓子缶に取りつかれ、今に至ります。