「スタッフの今日のコーデ」の私服姿にファンの多いエディター・松井陽子さん。記事の中でも松井さんのスタイリングにもよく登場する、「もはや体の一部のよう」という最愛のファッションアイテムの魅力をお届けする連載企画です。
 

”好き”に真っ直ぐでいさせてくれる。
Levi’s®︎ 501 ―その魅力を、いま改めて


「デニムはほぼ501®︎」という松井さんの声が届き、昨年生誕150周年を迎えたリーバイス501®︎の特別イベントへ。その歴史、リーバイス501®︎にまつわる数々のストーリーを伺いながら、新しい一本を探しました。


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ベビーカシミヤをまとう冬の贅沢。素肌も喜ぶ、なめらかさの秘密とは?【松井陽子さん】>>

 


訪れたのはリーバイス®︎の隠れ家的なスペース
501®︎の歴史を垣間見てきました

人生も半世紀。若い頃の記憶ももはや曖昧になりつつある中で、今でも変わらることなく無条件に好きなもの。ーー私にとってその筆頭は、古着のリーバイス501®︎です。

最初の501®︎は確か中学生の時。3つ年の離れた高校生の姉がまさにアメカジ真っ盛りで、姉と一緒に行った古着屋さんで見つけました。

その頃、私が一生懸命背伸びしながら目指していた”憧れの年上”たち。彼らは、男子も女子ももれなく古着の501®︎を穿いていました。……大げさでなく! それがとにかくかっこよかったのです。

だから実際に自分にフィットする1本を見つけたときは、それだけで憧れの世界に近づけた気がして舞い上がるほどうれしかったことを覚えています。制服を着て学校に行く時間が悔やまれるほど、早く家に帰って501®︎を穿きたかった。そして、少しでも自分に引き寄せられるように、あれこれ合わせながら穿き込んでいきました。

それは、いつ引っ張り出しても心がきゅんとするような懐かしの思い出です。そして、あの頃の”憧れ”は時を経てもプレシャスで、50歳を過ぎても変わることなくやっぱり好きです。ときめいてドキドキすることはもうなさそうですが、今でもコーディネートがしっくりくると無条件にうれしくなるのは、若い頃とあんまり変わっていないのかもしれません。

迷ったり、わからなくなったら、一旦そこに戻ることができる。新しいものにトライする時にもすんなりと手を繋いでくれるー今となっては、私にとっては「帰る場所」のような存在です。501®︎と向き合いながら経験した数々のトライ&エラーが私のスタイルの礎を築いていたのだ、とつくづく思います。

それは私だけのストーリだけではありません。自らの人生のストーリーと重ね、愛してやまない人が世界中に数多くいるというその事実。それもまたリーバイス501®︎の魅力です。 まるで世界共通の言語のように、男女問わず、時代も、年齢も、地域も、ひょいと飛び越えて人と人を繋ぐ。そしてさらに、かつて誰かが着ていたもので、付加価値がさらにプラスされて売られているものって、そうそうない!そんなふうに考えると、501®︎はつくづく特別なのだと思わずにはいられません。

今回の訪問を楽しみにしていたのは、大好きと言いつつ、実は知らないことばかりだから。150年という歴史を持つそのブランドに対して、そして501®︎についても、その出自も理解することなくずっと一緒に過ごしていたからです。

まず見せていただいたのは、すべてのストーリーの「始まり」であり「原型」でもある、洗い加工が施されていないリジットの501®︎。プレスの方のガイドで、その歴史に触れることができました。

 
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