2024年度の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)の主人公は、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた紫式部。きらびやかな平安貴族の世界で、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた紫式部の生涯が描かれます。
脚本を担当する大石静さんが「平安時代の驚くようなセックス&バイオレンスを描きたい」と語っていたことを考えると、これまでの大河ドラマとはちょっぴり異なるテイストになるのではないでしょうか。韓流ドラマのような胸キュンあり、藤原三兄弟による骨肉の出世争いもあり……さまざまな要素が詰まっている本作の見どころを徹底解説していきます。
柄本佑がふたたび大石脚本の“魔法”にかかる?
“ラブストーリーの名手”と呼ばれている大石静さんは、『セカンドバージン』(2010年・NHK総合)や、『大恋愛〜僕を忘れる君と』(2018年・TBS系)、『あのときキスしておけば』(2021年・テレビ朝日系)など数々の話題作を世に送り出してきました。
そのなかでも、わたしの印象に残っている作品は、2020年放送の『知らなくてもいいコト』(日本テレビ系)。同作は、主人公・ケイト(吉高由里子)の父親が有名なハリウッドスターなのでは? というところから始まり、さまざまな謎が明かされていくヒューマンドラマ。
物語の面白さはもちろんなのですが、ケイトの元カレ・尾高を演じていた柄本佑さんがとにかくカッコ良くて……。まわりの友人も「柄本佑ってあんなに沼なの?」と騒いでいたくらいにやばかった。大人の色気があり、ちょっとした危うさもあり、フラッとどこかに消えてしまいそうな儚さもあり。
大石脚本の男性キャラって、不思議な魅力がかかるんですよね。たとえば、『大恋愛〜僕と忘れる君と』のムロツヨシさんも、二枚目で売っているわけではないのに、リア恋キャラに見えてきました。あのドラマが放送されていた時期のわたし、「好きな芸能人いる?」って聞かれたら「ムロツヨシ」って答えてましたもん。
『星降る夜に』(2023年・テレビ朝日系)の北村匠海さんもそうでしたが、これまで見せたことのない表情を引き出すのが大石脚本の魅力なんですよね。だって、あの硬派な感じの北村匠海が……。年上彼女に髪を乾かしてもらいながらワンコみたいに揺れてるなんて……。視聴者は、大石さんが作り出す“ギャップ”にときめいてしまうんです。
柄本佑さんが『光る君へ』で演じるのは、平安の貴族社会で最高の権力者として名を残した藤原道長。諸説ありますが、この物語のなかでは紫式部の幼なじみとして描かれていくようです。そんな道長と権力争いを繰り広げることになるのが、道長の二人の兄である道隆(井浦新)と道兼(玉置玲央)。本作で、大石脚本の“魔法”にかかるのは誰なのでしょうか。
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