考え方を変えることで、人間関係のわずらわしさを解消

「ご機嫌でいるのは決意」。医師が患者と向き合う中で編み出した言葉が、生きるのをラクにする【高尾美穂先生】_img0
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 あなたをご機嫌にする言葉③ 
2:7:1の法則を知ると人間関係がラクになる

大事にしたいのは、自分と気の合う「2」の人たち。一方で、どちらでもない「7」の人たちの中で「2」に近い人が増えたらいいね。そう考えると、人間関係がラクになる。

カウンセリングの祖ともいわれる心理学者カール・ロジャーズが提唱したものに、「2:7:1の法則」があります。これは、自分の周りに10人の人がいたとき、そのうち2人はとても気が合う人、1人はとても気が合わない人、そして残りの7人はどちらでもない人だという法則です。

まず、大切なのは、自分と気が合う「2」に相当する人を見極めることです。次に1割くらいは気が合わない人がいたとしても、ありうることだ、ということ。そして、「どちらでもない」7割の人たちといい関係性を築いていくことができたらうれしい。こんなふうに考えると、気持ちがラクになりませんか。

 


 あなたをご機嫌にする言葉④ 
やわらかいつながりをもつ

なにかに属しているという「強いつながり」は、ときに苦しくなってしまうことも。枠にはまらない、いくつもの「やわらかいつながり」をもっておこう。

なにかに属している、その組織に守られているという「強いつながり」は、ありがたいけれど、窮屈に感じることがあります。私はこれからの時代、大切になるのは「やわらかいつながり」だと思っています。

属しているそこを唯一の自分の居場所とするのではなくて、「やわらかいつながり」をいくつももってみる。現代は何事も自分でできるようにという教育がなされてきましたが、誰かに頼ることもとても大切です。頼るということは、頼るほうはもちろん助かるけれど、頼られるほうもうれしい。そんなときに生きてくるのが、複数の「やわらかいつながり」です。核家族や一人世帯が増えている時代、社会全体においても大切になってくると感じています。