会社は40歳のときに大きく体調を崩したことがきっかけで退職した伽奈さん。幸いにも手術と治療を経て元気になり、息子さんが大学に通うようになったのをきっかけに前職の経験を活かしてバイヤーを始めたそうです。インテリアに関する確かな知識とマメなフットワークで月に30万円ほども稼げるようになりました。
月に何度か買い付けで東京に出張をするようになった伽奈さん。ご本人曰く「完全に田舎のおっかさんモードで東京に行って、昔の知り合いに会っては『油断した感じだねえ~』なんていじられていたそう。
この頃、仕事柄若い男性に会うことも多いものの、20代の男性が息子のように見えていたという伽奈さんは、まったく警戒をせずに深夜まで打合せをしたり、食事をしながら打合せをしたり、垣根を作ることなく接していました。時にはプライベートの相談に乗り、彼女とうまくいかなくて、なんていう話も親身に聞いていたといいます。
やがて周囲の20代・30代の男性が次々と伽奈さんに告白してくるようになりました。
「告白ですか?」と取材中、そのシチュエーションを確認しました。伽奈さんは、申し訳なさそうに頷きました。驚くべきことに、20代の独身男性たちが次々と伽奈さんに告白してくるというのです。
「おこがましくも、そうなった理由を分析すると……まず、私はこんな見た目だから男子たちが舐めてかかってくるんです。最初から、打合せだって居酒屋とか、そんな感じです。いじられキャラって言うんでしょうか……。そういうところから始まると、もしかして若い女の子の前では頑張らなきゃいけないと思い込んでいるちょっと奥手の、自尊心が高めの若い男の子は安心するのかなと。
そして私は、人が大好きなので話はいくらでも聞けます。なんせ育児完了しているのと年の功で、忍耐力は彼らの周囲の女の子よりもあるんだと思います……」
伽奈さんに言い寄ってくる男性は皆、またたびをかいだ猫のように伽奈さんに夢中になるようです。伽奈さんの包容力、頭の回転の速さゆえの会話の守備範囲の広さ、相手が欲しい言葉を本心から言える性格の良さ、心地よい会話術……すべてが年の離れた男性には媚薬になるのでしょうか。
また取材が30分以上になり、伽奈さんが非常に鋭く的確に、「相手が言ってほしいこと」を言葉にしてくれる方であり、非常にポジティブだと感じました。それも大いなる要素でしょう。おそらく男性は、彼女と一緒にいると承認され、自尊心をくすぐられるような気持ちになるのです。コンプレックスとプライドのはざまを打ち抜く、的確な言葉選びがゆえに。
筆者も、つい伽奈さんに何でも聞いてみたい心境に駆られていました。何をきいても、答えてくれそう。こちらが望むものを与えてくれそう……。
そんな得も言われぬ器の大きさが、伽奈さんにはありました。
さて、あっという間に周囲にとりまきが出来た伽奈さん。しかし周囲の男性は単なるファンではなく、女性として慕っていることが判明します。
後編では、冒頭で彼女が語った「需要と供給の合致」の意味、そして夫の意外な反応を伺います。
写真/Shutterstock
取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙
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