「僕に気づかせないで」


ふんわり癒し系、に見えて中身はさっぱりしていて度胸が据わっているタイプの伽奈さん。10年ほど前、それまではずっと断ってきましたが、「この人と寝てみたい」という気持ちが湧いてきて、自分のなかの性欲を自覚したそうです。考えてみれば、その時点で10年弱セックスレスでした。

そこで夫の浩司さんに、できたら昔のように時々肌を重ねたい、それが自分にとってとても重要だと伝えた伽奈さん。すると夫の答えは驚くべきものでした。

「伽奈といると本当に自信が持てるし、幸せ。だけど、僕はあまり性欲がないタイプで、正直にいって若い頃からセックスが義務みたいに感じできた。でも伽奈のことは間違いなく女性として好き。結婚してよかった。ただどうもそういうことをしたいと思わないから困っている」

 

これをどうとらえればいいのか、伽奈さんは途方に暮れたといいます。言い訳? 自分に性的な魅力がないから? などショックを受けますが、思い返せば、浩司さんが外で女性に気を取られている気配は長い付き合いで1度も感じたことがなく、性的な動画なども見ているような様子もないとのこと。調べてみると、そういう人は一定数いるということも理解できました。

 

数ヵ月悩んだ挙句、「最近は女性風俗なんかもあるけど……私が外で性欲を発散してくるという選択肢はどう思う?」とこれまた直球で尋ねたそう。

すると浩司さんは、「とにかく絶対に僕には気づかせないでほしい……それだけ約束してくれたら。自分勝手だけど、たとえば目撃してしまったりしたら、僕はすごくショックだし、離婚したくなってしまうとも限らない。でもそれは嫌だから、絶対にわからないようにして」と答えたといいます。

この真意は、結局のところご本人にしかわかりません。伽奈さんも、そう言うしかなかった彼の立場、心情を分かっているようでした。しかし、伽奈さんはまだ30代、ひとよりも旺盛な性欲をなだめるのは難しかったといいます。率直にそう語る伽奈さんの言葉は真情があふれていて、切実でした。

そして彼女は自らに3つのルールを課して、10も15も年下の男性たちの誘いを受け入れました。