世の中が不安定の今、お金、仕事、人間関係など、自分にとって大切にしていたものを失ってしまうことは、誰にでも起こり得ます。
そんなとき、また立ち上がるためには、どうしたらいいのでしょうか?

 


失ったものに対する執着を捨てる!

お金、仕事、人間関係など大事なものを失ったとき、また立ち上がるために役立つ「2つの心構え」_img0
 

私自身もこれまで色々と大切なものを失った経験があります。そんなとき、自分自身を新たな方向に進めさせたのは、この「2つの心構え」でした。
(1)失ったものに対する執着を捨てること
(2)今、目の前にある「いいこと」のほうに目を向け、新たなものを生み出せる自分でいること

愛着のあるものであればあるほど、失うことでの悲しみ、苦しみは、耐えがたいもの。ただ、失ったものに執着をすればするほど、辛さは増すばかり。
もちろん法的手段をとって取り戻せる場合は行動したほうがいいですが、そうではない場合は、パッと手を放してしまったほうが、自分自身も楽になれることは多いでしょう。

そういうときにマイナスになるのが、「もしも、あれがまだあったら……(あの人がいたら……)」という仮定の思考。もう自分のところにない(いない)のであれば、「ないもの」として考えと行動を変えていったほうが建設的。
人は、「自分のメンタルの状況」に一番影響を受けるので、ストレスを溜めていたり、怒り、悲しみなどの“負の感情”に負けていたりすると、たとえ前向きな行動を心がけても、心がついていかないのでうまくいきにくいもの。
できることなら、「心」から切り替え、一時は「そのことを考えない」ことを心がけて、「今、できること」をやったほうがいいでしょう。

執着心は自己を苦しめる


結局、どんなときも、失ったものに対して「執着心」を持っていると、非常に苦しみます、なぜなら、自分ではどうすることもできないことが多いからです。

「もう手元にないもの」をいつまでも取り戻したいと思っているときほど、人生の流れに逆らっていることはありません。流れに逆らえば逆らうほど、体力もメンタルも消耗します。しかも、ただただ失って、嘆き続ける行動は建設的ではありません。

そんな状況のときは、敢えて感情に蓋をして、「執着心は、自己を苦しめるだけだから、そのことを考えるのはやめよう」と自己に言い聞かせ、もし、考えそうになったら、たとえば好きな映画を見たり、遊びに出かけたりして、「他の楽しいこと」に目を向け、自己を誤魔化したほうがいいこともあります。

人の脳は良くも悪くも、「忘れる」ようにできています。さらに、そのうち「失ったものよりも大切なもの」が見つかったときには、苦しみ、悲しみもおさまっていることが多いです。
失ったことを嘆き続けることにエネルギーを使うくらいなら、新たな「大切なもの」を作ることに力を注いだほうが、幸せに近づくことは多いでしょう。

「(2)今、目の前にある『いいこと』のほうに目を向け、新たなものを生み出せる自分でいること」とは、どういうことなのか。次のページで紹介します。