和食のきほん「汁とめし」は、誰でも気軽に作れる

まいにちの食卓は「一汁一飯」でもじゅうぶん。笠原将弘さんが提案する、滋味あふれる汁とめし_img0
 

煮物やいため物など、おかずを作る余裕や時間が豊かにある時代ではなかった頃、家庭における汁物は“おかず”でした。季節の野菜をなべで煮る。前日に余った野菜やねり物なんかをちょっとずつ入れると、うまみも加わる。そこにみそをといたり、しょうゆを足したりすれば、具だくさんで栄養価の高い汁のでき上がりで、それと一緒にぴかぴかの白めしをよくかんで味わう。本来、日本の家庭料理とは、そういった滋味あふれるものだったと思います。

多忙が極まった現代。ときには飽食でなかったころの日本に倣い、おかず類は作らず、一汁一飯の「汁とめし」献立を実践してみてはどうでしょうか。ただしそれは、自分の手で作ってみてもらいたいのです。

和食のきほんとも言うべき「汁とめし」ですが、いちばん優れているのが“誰でも気軽に作れる”という点です。近所で手軽に買える食材や、冷蔵庫の残り物で十分おいしく作れます。特別な調味料や道具も使いません。多くのかたに「自分の食事を自分で準備すること」「食べる時間を楽しむこと」を見つめ直すよいきっかけにしてもらえたら、こんなにうれしいことはありません。いま一度、日本の食生活の原点を見つめ直してみませんか。

 

汁を作る①
豚そぼろ、にら、にんにく、オクラ

まいにちの食卓は「一汁一飯」でもじゅうぶん。笠原将弘さんが提案する、滋味あふれる汁とめし_img1
 


●材料(2人分)

豚ひき肉…150g
にら…3本
オクラ…5本
塩…適量
にんにくの薄切り…2かけ分
赤とうがらしの小口切り…2本分
ごま油…小さじ1
だし…600ml
[A]みそ、赤みそ、白みそ…各大さじ1

●作り方

1. にらは1cm長さに切る。オクラは塩ずりしてさっと洗い、へたを切り落として小口切りにする。

2. フライパンにごま油を中火で熱し、ひき肉をいためる。ほぐれて油が出てきたら1、にんにく、赤とうがらしを加え、いため合わせる。

3. だしを加えてひと煮立ちさせ、アクが出たら除いて、Aをとき入れる。