米メディアでは賛否両論だった、アリアナ・グランデの「ジャンバティスタ・ヴァリ」のピンクのバブルドレス。このふわふわの飾りが不評だったようですが、華奢な体型のアリアナがレッドカーペットで映えるために計算され尽くしたチョイスで、よく似合っていたように思います。キュートなベビーピンクもアリアナらしくて、私は好きでした。
アリアナと同じく、プレゼンターを務めたルピタ・ニョンゴ。アルマーニ・プリヴェのアイスブルーのフリンジ付きドレスが、彼女の溌剌とした魅力を引き立てています。これは彼女のスタイリストのミカエラ・エランガーが、ルピタが2014年に『それでも夜は明ける』でオスカーを獲得したときに着ていたドレスにオマージュを捧げて、同じカラーを選んだのだとか。
今回の作品賞にノミネートされた『落下の解剖学』と『関心領域』のどちらにも出演し、『落下の解剖学』では主演女優賞候補にもなった注目女優、ザンドラ・ヒュラー。彼女が着ていたスキャパレリのドレス、素敵なのですが、何回見ても食虫植物の開いた口のように見えるのは私だけ? このシャキーン! としたフォルムのドレスは今年のトレンドのようで、アフターパーティーなどでも他のセレブが着ているのを見かけました。ドイツ出身のザンドラは、ヨーロッパ的なシックさを讃えているところが魅力。ドレスのモードなデザインが、ザンドラの雰囲気とマッチしていました。
冒頭の「言いたいことはたくさんある」についてはまた別の機会にでも書きたいと思いますが、現在の社会情勢や人種差別問題、フェミニズムなど様々な背景を巡り、それぞれの俳優たちの思想や姿勢がカメラを通して伝わってきた、今回の授賞式。
『オッペンハイマー』で助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr. がプレゼンターのキー・ホイ・クァンを無視した(ように見える)態度を取ったり、国際長編映画賞を獲得した『関心領域』のジョナサン・グレイザー監督が受賞スピーチでパレスチナ問題について言及した際に、拍手しなかったエマ・ストーンやマーゴット・ロビーなどなど。もちろん100人いれば100人の思想があって然るべきだというのは承知の上で、多様性に開かれたハリウッドを謳いながらも、そこには差別意識が依然として横たわってることを感じます。
宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞と、日本作品が2部門で受賞するという嬉しいニュースもありましたが、前述のような出来事によってモヤモヤする気分になり、せっかくのハレの舞台を純粋な気持ちで楽しめなかったことが、残念でなりません。
前回記事「シャネルのショーでブラピとペネロペが共演!エイジレスで美しいふたりの姿にうっとり」>>
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