『厨房のありす』酒江倖生(永瀬廉)


この連載を読んでくれたことがある方にはバレているかもしれませんが、わたしは影があるキャラクターが大好きなんです。たとえるなら、飲み会で場を盛り上げているタイプではなく、隅っこの方でフッと笑っているような。それでいて、ひとりで寂しそうにしている人の存在に気づいて、何も言わずに横にいてあげるタイプ。


なので、永瀬廉さんが演じてきたキャラクターは、基本的に好きなことが多い(『夕暮れに、手をつなぐ』の“音”や、『おかえりモネ』の“りょーちん”など)のですが、そのなかでも倖生がいちばん好き。第6話、ありすに「俺も、ありすのことが好きだ」と優しく伝えた場面で完落ちしました。

 

倖生は、家庭の事情もいろいろ大変で、とにかく背負っているものが多い。それでも、ありすの前では目を輝かせる瞬間があるんです。背負っている荷物を、フッと下ろす瞬間が! 気難しそうに見えるけれど、実は人一倍繊細で、母性本能をくすぐる倖生。「わたしが、彼を笑顔にしてあげたい!」なんて思ってしまうから、近くにいたら危険なタイプです。