あなたの今住んでいる家は、いつ建てられたもの?
続いて、家についてです。
「建物の場合は、何年に建てられたかが重要になります。というのも、大きな地震があるたびに、建築基準法が改定されており、必要壁量(≒水平力に対する強さ)の基準等が強化されています」(山田さん)
目安となるのは
◎1981年(1978年の宮城県沖地震を踏まえて改正。81年以前の木造住宅はリスクあり)
◎2000年(1995年の阪神淡路大震災の時、壁の基準が足りていても倒壊した建物あり。そのため、壁の量だけではなく、バランスや接合部分の規定などを追加)
大きい地震の後には、震災に耐えた実績をもとに、より壊れにくい基準に進化しています。
例えば、1995年と1997年に立てられたものはほぼ同じ強度でも、同じ2年差でありながら、1980年と1982年に建てられたもの、1999年と2001年に建てられたものでは、強度が違う可能性があるのです。
新しいとそれだけ安心……と思いきや、ここで驚きの事実が!?
「建設基準法は、震度5強程度で”壊れず”、震度6強から7程度では”倒れない”ことを最低限求めています。つまり、大地震では最低限、建物が傾いても、人命に危害を及ぼさなければ良いという基準なんです」と山田さん。
どこまで強度を強くしても安心安全の際限はないですし、倒れなければ命を救うことはできるので、人命優先を考えるともっとも現実的な基準ということですね。
「部屋」の中で、最低限、押さえておくポイントはこれ!
ただ、建物が無事だったとしても、”家の中”が安全ではないと命を確実に守ることはできません。
建物内で、最低限、押さえておくポイントはあるのでしょうか?
「家が倒れなくても、家具の転倒や物の散乱は凶器になります。
冷蔵庫や食器棚など、大きければ倒れますし、ガラスは割れる。下敷きになる可能性もあります。倒れることを前提にした配置が重要です」(山田さん)
例えば、
■本棚がベッドの方向に向かって倒れてこないか?
■家具が倒れた場合、出入り口をふさがないか?
などの観点から、ご自宅の家具配置をチェックしてみてください。
「モノは落下し、散乱します。それは仕方ないこと。それを念頭に置いておいた方がいい」と山田さんはいいます。
それでも被害を最小限に止めるために、家具の固定は重要だそう。
「能登半島地震のとき、突っ張り棒で家具の転倒を防げた例もありましたが、揺れ方や天井下地の状態によって突っ張り棒は外れる可能性もあります。そのため、金具で固定することをおすすめします」(山田さん)
そのほかのポイントとしては、「重いもの、固いものはなるべく下に収納。さらに集中収納することでリスクは軽減されます。地震のあとの片付けにも有効です」
片付けが楽ということは、被災後の生活の立て直しにはかなり有益。
この「住み続けられる」という視点が、まさに「復旧」につながります。
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