ズボラさんでもできる「ローリングストック」のポイント


山田さんによると、ローリングストックする際のポイントは、「奥行きは浅く、重ね置きせず、見える化すること」だそう。

「奥行きが45cmくらいになると重ね置きし、秘蔵品になりがち。私たちプロは、上から見た面積ではなく、壁を正面から見た面積がどれくらいあるかで(収納量を)見ます。例えば、扉の裏を収納に使うと、奥行きは浅くなり、収納面は2倍になります」

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収納の奥行きを半分にし、扉も活用することで収納の”浅く””見える化”が実現(提供:くらしノベーション研究所)

目からウロコの発想! まさに、我が家の秘蔵品庫をなんとかしたいです。

「ただ、普通、扉は重いものを収納する想定をしていないため、軽い素材を利用していることも多いと思います。どれだけ扉に棚を増設できるかは、扉の下地や重さで変わってくるので、自分でDIYせずにプロに相談してからが安全です。
 

 


もちろん、床置きなら、いくら重くても大丈夫。例えば、奥行き90cmくらいのクローゼットなどの収納なら、壁3面に奥行きの浅い板をつけて、真ん中に水を置くなどの工夫ができます」(山田さん)

なるべく壁面に薄く収納。できれば集中収納がベストのようですが、もし難しいなら、隙間にワゴンで出し入れできるようにするのもアリだそうです。

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重たいものは下に、軽いものは上に配置をしましょう(提供:くらしノベーション研究所)

今は、非常用保存食ではなく、日常に食べられる常温保存食を食べつつ補充する「ローリングストック」と合わせて、災害用日常用を区別しない「フェーズフリー」の考え方も一般化しています。

「例えば、キャンプや登山が趣味の人ならバーナーやランタン、寝袋なども使えます。別に無理にキャンプをする必要はなくて自分の好きなもので考えてみてください。食料も、自分の好きなものをローリングストックすればいいんです」(山田さん)

また、「②エネルギー」では、発災後、冷蔵庫が機能するだけで、在宅避難の可能性がグンと上がるといいます。

「冷蔵庫の使用電力は約50Wなので、せめて冷蔵庫分だけでも電源を確保したいところ。

停電でも使える太陽光発電や、昼貯めて夜使える蓄電池があると冷蔵庫も使えますが、最低限、停電時の電源として、懐中電灯と情報収集のためスマホの電源として、ポータブル電源は用意しておいてほしいですね」と山田さん。

ちなみに、携帯の充電に約15W、災害情報収集のためのテレビは約100W、リビングの照明が約100W程度。電子レンジや電気ポットはそれぞれ約1450Wと大量な電力が必要なため、まずは必要最低限のものを把握しておくといいかもしれません。