2018年に韓国で発覚した「バーニング・サン事件」――性売買やレイプの斡旋、薬物汚染など、有名クラブを舞台に行われていた様々な悪事に、誰もが知るK-popの人気スターたちが関わり、逮捕された事件ーーは、韓国社会に大きな衝撃を与えました。「ある日突然、”推し”が犯罪者になってしまった」ファンたちは、この事件報道に激しく動揺したのは言うまでもありません。
ドキュメンタリー映画『成功したオタク』の監督オ・セヨンさんは、そんなファンのひとり。これまで愛し信じてきたものがガラガラと崩れ、どうしていいかわからない気持ちを抱えた彼女は、同じように動揺する「オタ活仲間たち」に話を聞こうと、訪ね歩くことに。「推し」に厳しい非難を向ける人、傷ついた心を癒す方法を探す人、決別したつもりが全然決別できていない人、報道を信じずあくまで「推し」続ける人……映画が捕らえたそれと同じような混乱は、ジャニーズ問題や、松本人志にまつわる報道などでつばぜりあう人々の光景に似ています。「何かにハマる」とはどういうことなのか、そして人はなぜ「ハマる何か」がほしいのか。オ・セヨンさんが見つけた答えとは、一体どんなものだったのでしょうか？
オ・セヨン
あるK-POPスターの熱狂的ファンであり、「推し」に認知されテレビ共演もした「成功したオタク」だったが、ある日推しが性加害で逮捕され「失敗したオタク」となったことをきっかけに、ドキュメンタリー映画『成功したオタク』を制作。本作がはじめての作品となる。
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