年々やせにくく、太りやすくなってきた……そう感じる40代は多いかもしれません。加齢と共に代謝が落ちていくだけではなく、若い時に比べて活動量が減っているのも要因のひとつ。
「でも食べないダイエットは絶対に禁物。代謝を落としてさらにやせにくくなるだけではなく、やつれて老けた印象になってしまいます。また40代以降はホルモンバランスが乱れやすく、閉経後は骨粗しょう症リスクやコレステロール値が高くなる傾向に。食べないダイエットをすることで病気のリスクも上がってしまいます」と管理栄養士の岸村康代さん。
そこで実践したいのが食べ方を工夫する「食べてやせるダイエット」です。

「この時季、注目すべきは春に旬を迎える食材。春野菜は食物繊維やカリウムなど、冬に溜め込んだ脂肪や余分なものを排出する栄養素が豊富です。春に旬を迎える魚介類も栄養豊富で低カロリー。“やせる栄養素”がギュッと詰まった旬の食材で、健康的にやせませんか?」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい旬の食材とおすすめの食べ方をご紹介。第4回は旬の魚「初カツオ」です。
 

同じカツオでも「戻りカツオ」とは違う「初カツオ」の魅力とは!?

 

春と秋の年2回に旬を迎えるカツオは、肉に劣らず良質なたんぱく質を得られる魚介類のひとつ。「なかでも4月~5月にピークを迎える初カツオは、秋の戻りカツオと比べて、低脂肪&低カロリーとダイエット向きです。お肉でいうとヒレ肉のようなイメージで、ダイエットに必要な筋肉の材料をヘルシーに摂ることができます」と岸村さん。カロリーは戻りカツオが100gあたり165㎉に対して、初カツオは114㎉、と30%以上も低カロリーです。

さらに代謝に関わる栄養素も豊富に含まれるそう。「エネルギー代謝に関わるナイアシンや、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6などのビタミンB群は、スーパーフードと呼ばれている鮭と並ぶほど豊富。これらは肌やメンタルを健康に保つ働きもあります」

さらにむくみ防止にも一役買うカリウムや、体の調子を整えるマグネシウム、貧血を予防するなどのミネラルも豊富。特にカツオのお腹と背中の間の赤黒い部分である血合いには、ビタミンやミネラル、鉄が多く含まれているので、血合い部分もしっかり食べるようにしましょう。
 

 


おすすめレシピ① 初カツオの薬味サラダ

 

「栄養いっぱいのカツオですが、食物繊維とビタミンA、ビタミンCは含まれていません。お刺身やたたきにしていただくことが多いと思いますが、そこに野菜や薬味などをプラスしてサラダ仕立てにすることで、足りない栄養素を補うことができます」(岸村さん)

 材料(2~3人分)
カツオ ひと柵
新玉ねぎ 1/2個
大葉、ミョウガ、グリーンリーフなどの野菜 適宜
A:しょうゆ、みりん 各大さじ2

 作り方 
1 カツオを食べやすい大きさにそぎ切りにし、Aに10~30分つける。

2 新玉ねぎ(薄切りにして辛い場合はさっと水にさらす)、大葉とミョウガ(食べやすい大きさに切る)、グリーンリーフなど、お好みの野菜に1を盛り付け、好みでオリーブオイル(分量外)をかけていただく。
「カツオはたたきを使用してもOK。その場合は漬けずに付属のたれなどで味を調整しても大丈夫です」
 


おすすめレシピ② カツオの漬け丼

 

「カツオの漬けを多めに準備しておいて、翌日漬け丼にするのもおすすめ。カツオは漬ける時間が長いとその分味が入ってねっとりとしてきますが、保存も1~2日ほど効きます。またごはんをもち麦ごはんにすれば、食物繊維も豊富に摂れて◎」

 材料(一人分)
カツオの漬け(レシピ①の1) 4~5枚ほど
トッピング 刻みネギ、白ゴマなど適宜
もち麦ごはん お茶碗1杯
 

 作り方 
もち麦ごはんにカツオの漬けをのせ、好みの薬味をのせる



カツオ1人前(100g)で、1日の約1/3~半分のたんぱく質を摂ることができます。ダイエットに欠かせない栄養素をヘルシーに摂るためにも、ぜひ初カツオに注目を。

岸村康代さん管理栄養士。野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人 大人のダイエット研究所 代表理事。ダイエット指導では2000人以上を成功に導き、落とした脂肪は合計10トンを超える。テレビをはじめとするメディア出演も多い。『きれいにやせる 食材&食べ方図鑑』(家の光協会)など著書も多数。


写真:Shutterstock
構成・文/村田由美子
 

 

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