年々やせにくく、太りやすくなってきた……そう感じる40代は多いかもしれません。加齢と共に代謝が落ちていくだけではなく、若い時に比べて活動量が減っているのも要因のひとつ。
「でも食べないダイエットは絶対に禁物。代謝を落としてさらにやせにくくなるだけではなく、やつれて老けた印象になってしまいます。また40代以降はホルモンバランスが乱れやすく、閉経後は骨粗しょう症リスクやコレステロール値が高くなる傾向に。食べないダイエットをすることで病気のリスクも上がってしまいます」と管理栄養士の岸村康代さん。
そこで実践したいのが食べ方を工夫する「食べてやせるダイエット」です。

「この時季、注目すべきは春に旬を迎える食材。春野菜は食物繊維やカリウムなど、冬に溜め込んだ脂肪や余分なものを排出する栄養素が豊富です。春に旬を迎える魚介類も栄養豊富で低カロリー。“やせる栄養素”がギュッと詰まった旬の食材で、健康的にやせませんか?」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい旬の食材とおすすめの食べ方をご紹介。第5回は「春キャベツ」です。
 

生で食べることで得られる、春キャベツの隠れたやせ効果

 

普通のキャベツに比べて巻きがゆるく、ふんわりとした春キャベツ。3月の中旬から4月にかけて店頭にたくさん並びます。
「葉もやわらかく、みずみずしいので生でも食べやすいのが特徴です。野菜は生で食べることによって、よくかむようになるので、満腹感を得られやすくなります」と岸村さん。食事の最初に生のキャベツをよくかんで食べることによって満腹中枢が刺激され、食べすぎを防止できるそう。さらに「キャベツに含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を抑え、体脂肪の蓄積を防ぎます。そういう意味でも食事の最初に摂りたい野菜」。食物繊維は腸内環境を改善させ、満腹感を持続する効果も。

そのほかの栄養素で注目したいのが、ビタミンU。「キャベツから発見された成分で、キャベジンとも呼ばれている水溶性ビタミン。胃の粘膜を保護し、胃潰瘍などの予防や治療に有効とされています」

またきれいにやせるためには欠かせない抗酸化成分、ビタミンCイソチオシアネートも。「イソチオシアネートの前段階の物質、グルコシノレートは細胞が壊されることによって抗酸化力の強いイソチオシアネートに変化します。その点からもよくかむことは大切です」
食事の最初に生で摂ること、そしてたくさんかむことが“きれいやせ”の最大のポイントに。
 

 


おすすめレシピ① ざく切りキャベツ

 

「食前『春キャベツダイエット』は手軽に、そしておいしく続けられるかが鍵。鉄板の味つけをぜひ試してください。かめばかむほど、キャベツの甘みが出てきますよ」(岸村さん)
 

 材料(2人分)
キャベツ 2枚(120g程度)
★ごま油、鶏がらスープの素 各小さじ1
★塩 少々
白ゴマ 適宜

 作り方 
ちぎったキャベツに★を加えて混ぜ、白ゴマをふる


おすすめレシピ② ヘルシーコールスロー

 

「ちょっとしたホームパーティにも出せる、キャベツのコールスローです。マヨネーズにヨーグルトを加えることで、カロリーを抑えるだけでなく、腸活にも働きかけます。お好みで塩をハーブソルトにしたり、おろしにんにくやツナを加えるのもおすすめ」
 

 材料(2人分)
キャベツ 150g
★プレーンヨーグルト 小さじ2
★マヨネーズ 小さじ1   
★塩 ふたつまみ
★コショウ 少々

 作り方 
1.★を混ぜておく。

2. キャベツを千切りにし、1と和える。にんじんやお好みのハーブをプラスするのもおすすめ。



キャベツの栄養は加熱によって流出されやすくなります。葉の柔らかい春キャベツを生のまましっかりかんで食べてダイエットに役立ててください。おなかが満たされたら、たんぱく質をしっかりとるのをお忘れなく。
ちなみにキャベツを加熱するときは、ポトフや味噌汁など汁ごといただけるものだと栄養の流出を気にしなくて済みます。
 

岸村康代さん管理栄養士。野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人 大人のダイエット研究所 代表理事。ダイエット指導では2000人以上を成功に導き、落とした脂肪は合計10トンを超える。テレビをはじめとするメディア出演も多い。『きれいにやせる 食材&食べ方図鑑』(家の光協会)など著書も多数。


写真:Shutterstock
構成・文/村田由美子
 

 

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