年々やせにくく、太りやすくなってきた……そう感じる40代は多いかもしれません。加齢と共に代謝が落ちていくだけではなく、若い時に比べて活動量が減っているのも要因のひとつ。
「でも食べないダイエットは絶対に禁物。代謝を落としてさらにやせにくくなるだけではなく、やつれて老けた印象になってしまいます。また40代以降はホルモンバランスが乱れやすく、閉経後は骨粗しょう症リスクやコレステロール値が高くなる傾向に。食べないダイエットをすることで病気のリスクも上がってしまいます」と管理栄養士の岸村康代さん。
そこで実践したいのが食べ方を工夫する「食べてやせるダイエット」です。
「この時季、注目すべきは春に旬を迎える食材。春野菜は食物繊維やカリウムなど、冬に溜め込んだ脂肪や余分なものを排出する栄養素が豊富です。春に旬を迎える魚介類も栄養豊富で低カロリー。“やせる栄養素”がギュッと詰まった旬の食材で、健康的にやせませんか?」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい旬の食材とおすすめの食べ方をご紹介。第3回は「いちご」です。
むくみ防止&腸活。そしていちごの赤色に秘められたダイエット効果も!?
春から初夏にかけて旬を迎えるいちご。甘酸っぱくて見た目もかわいいので、老若男女問わず人気のフルーツです。品種によっては甘みの強いものもあるので、カロリーが高そうなイメージもありますが……。
「いちごは大きさにもよりますが、糖質量は一粒あたり約1.0g、カロリーは5㎉と他の果物に比べて低糖質&低カロリー。カリウムも豊富なので、むくみ予防にもおすすめです」と岸村さん。
いちごの鮮やかな赤い色にも注目。「色素成分アントシアニンによる赤ですが、このいちご由来のポリフェノールは強い抗酸化作用があることがわかっています。また脂肪の減少を助ける作用を研究されているエラグ酸というポリフェノールも含まれています」
さらに食物繊維も豊富。「食物繊維はダイエット中に不足になりがちなので、いちごは便秘ぎみの方にもおすすめ。またいちごに含まれる有機酸はカルシウムなどのミネラルの吸収を助ける機能もあるので、ダイエット中に不足しがちな栄養の観点からもいいですね」
いちごを食べればすぐにやせるわけではありませんが、ダイエット中に甘いものが欲しくなったときにもおすすめだそう。
「例えば10粒食べても約50㎉ほど。甘いスィーツだと100~200㎉はすぐにいってしまうので、おやつ代わりにおすすめです。ビタミンCもレモン果汁の約3倍含まれているので、いちご5~6粒で1日の必要量を摂ることができます」。ビタミンCは強力な抗酸化物質なので、美肌や健康が気になる人にもぴったりです。
「ただし、いちごを食べるときにヘタを取って洗うとビタミンCをはじめとする水溶性の栄養素が流れでてしまう可能性があるので気をつけて。冷凍もできますが、解凍時に水溶性成分がドリップに溶け出てしまうので無駄にしないように」
おすすめレシピ いちご豆乳スムージー
「植物性のたんぱく質がとれる豆乳を使用したスムージーです。甘みづけに発酵食品である甘酒で使うことで、いちごの食物繊維や豆乳に含まれるオリゴ糖との相乗効果で腸内環境に働きかけます。腹もちもよくなるので、夕方にお腹がすいたときにおすすめ。夜ごはんの食べすぎも防げますよ」
材料(グラス2杯分)
いちご 100g
豆乳(成分無調整) 200cc
甘酒 大さじ1(いちごや甘酒の種類によって甘みを調整)
作り方
1 いちごはよく洗ってからヘタを取る。(冷凍いちごも可能)
2 材料をミキサーにかけ、冷やしていただく。
健康や美容、ダイエットに多くの効果があるいちご。甘くて満足感もあるので、食欲を抑える効果も期待できます。今日からお菓子やジュースの代わりに、ぜひいちごを召し上がってみてください。
岸村康代さん管理栄養士。野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人 大人のダイエット研究所 代表理事。ダイエット指導では2000人以上を成功に導き、落とした脂肪は合計10トンを超える。テレビをはじめとするメディア出演も多い。『きれいにやせる 食材&食べ方図鑑』(家の光協会)など著書も多数。
写真:Shutterstock
構成・文/村田由美子
Comment