日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、友人関係にまつわるモヤモヤエピソードです。
「実は私、卵子凍結したの」
エピソードをお寄せくださったのは、都内で一人暮らしをしているキキさん(37歳・会社員)。
職場の異動で東京に出てきて7年目の春です。
いつもつるんでいた女子会メンバーも、妊娠出産・夫の転勤に伴う転居などで一人減り二人減り……。今では私を含む同い年3人しか残っていません。
A子は既婚でしたがずっと子どもがおらず、「子どもはいらない夫婦なのかな」と想像していました。本人も、「欲しくないわけじゃないけれど……」と言葉を濁すことが多く、独身二人(私とB子)の恋愛や婚活の話をいつもニコニコ聞く係みたいな存在。しかし昨年、「妊娠したの」と報告が。何年もかけて不妊治療をしていたそうです。
「やっと言えた!」と笑うA子を見て、ショックを覚えながらも「子どもが欲しかったんだな。よかったな」と自分に言い聞かせました。その場が祝福ムードに入った瞬間、B子が更に爆弾発言を……。
「実は私、卵子凍結したの」
もうビックリ仰天。そんな話、B子からは一切聞いたことがなかったのです。
「年齢も考えたら、私には必要かなって」と話すB子を見て、動揺がおさえられない私。なんで話してくれなかったんだろう。年齢のことで言ったら私だって同い年なのに……。え、私は子どもが欲しいのかな?
以来、ずっとグルグル・モヤモヤしています。友人たちに置いて行かれた感、というか出し抜かれた感。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、本音はそんな感じです。我ながら大人気ないなと思うのですが、三人のグループチャットも平静では見られなくなってしまいました。
友人のライフイベントへの複雑な思い
お友達からのビックリ告白。妊娠・出産にまつわる話はデリケートですから、親しい間柄であったとしても言いにくいこともあるよなぁと想像します。それにしても仲良し3人グループのうち2人から同時だなんて、なかなかの衝撃ですよね。キキさんの心中お察しします。
結婚・妊娠・転職・移住……友人のライフイベントって、それが前向きな内容だったとしても素直に祝福できないときはあると思います。親しければ親しいほど、むしろその複雑な感情は強まるかもしれません。仲が良かった相手との、「距離」を実感する瞬間だからでしょうか。
どんなに仲良しであったとしても、人はそれぞれ「個人」の人生があります。タイミングによっては、二人の歩みがズレることもきっとあるでしょう。そのときに「寂しい」「悲しい」と感じるのは当たり前のことです。「大人気ない」と反省していらっしゃいますが、キキさんが感じている思いがどんなものか、よく理解できる気がしています。
普段から「子どもが欲しくて、妊活しているんだ」「卵子凍結について調べてみてるの」と話を聞いていれば、キキさんのショックは薄れたのでしょうね。
「なんで言ってくれなかったんだろう」という気持ちから、出し抜かれた……みたいに感じてしまうのも仕方ないかもしれません。でも、「デリケートな話だし、二人も言いにくかったんだろうな」ということも、キキさんはきっと想像できているはずですよね。
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