テレビは大衆のイメージを作る
ーー確かに、テレビって強烈に大衆に訴えかける側面があるので、イメージを作りますよね。子どもたちが見たときに、こういう職業って女性がなるものなんだ、男性がなるものなんだ、って思ってしまうかもしれない部分があります。
望月:そのつもりでやっていなくても、映っているものによって、潜在的な部分に刷り込みをしてしまう可能性があります。そこにも気づいて、テレビが責任を持っていかなければいけないんだなということに気づかされました。自分たちはやったつもりになっていたかもしれないことを、本当にちゃんと出来ているのか、もう一度気づかせてくれている取り組みだと思います。
ーー新しい人を探すとコンテンツが豊かになるというのは、決して男女だけに限ったことではないですよね。メディアってどうしても同じ人に過剰に仕事が行って、新しい才能があったかもしれないのに、日の目を見るチャンスがなかなか巡ってこない。日頃からアンテナを張って新しい方を探すことで、循環するというか、すごく風通しが良くなりそうです。
望月:いろんな方に出会って新しい才能を見つけることが、テレビの大事なミッションだと思っています。
多様性への配慮はフロンティア
ーー世間では多様性に配慮するとテレビがつまらなくなる、表現が狭まって窮屈になるっていう声もあります。でも、お話を伺っていると、多様性に配慮することは、むしろ新しい表現を探っていくっていうということ、開拓していくことで、決して後退することではないと感じました。
望月:そうですね。守りというより、演出を広げられる、可能性を広げていけるチャンスと捉えられるかもしれません。そこにフロンティアがあるんだということは周りにも伝えたいと思います。現場でも可能性を探っていくべきでしょうし、そうしないとテレビというメディアが生き残っていけないですね。
ーー最初は割と義務的に取り組む部分もあるでしょうし、実際手間も増えると思います。でも、感想を聞くと、すごくポジティブな変化が生まれていますよね。気づきがあってフィードバックされるっていういいサイクルができているように感じます。やっていてしんどかったら、持続性がないでしょうし。
望月:現状としては今やってることは間違ってないと感じていますし、さらに活性化していくといいなと思います。
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