キャバクラに推し活。日本の夫婦は愛情すらも分散投資する

愛が100%でなくても離婚はしない──愛情をリスク分散して夫婦関係を維持してきた日本人が、別れを決める理由とは?_img0
 

時間だけでなく「愛情」すらも、日本では分散されがちです。日本の新橋や新宿などでは、サラリーマン(男性ばかり)が盛り上がり、キャバクラやクラブに繰り出す姿がよく見られますが、これも海外の人々からは大いに驚かれる光景です。そう、日本の男性(夫)は、愛情や関心を家族や妻へ100%注力しなくてもいい。

キャバクラやクラブ、アイドルの推し活やゲームなど、多方面に分散できる社会なのです。一方で女性(妻)の側も、持てる愛情をすべて夫に傾けるよりは、子どもや母親や姉妹、女友だちやアイドルの推し活やペットなど、多方面に分散投資することで、日常を心穏やかに過ごすことができるのです。

 

仮に配偶者が100%の愛情を注いでくれなくても、あるいは共通の時間がなくても日々の潤いが枯渇せず、楽しく生きていける国。それは、先進国では日本くらいかもしれません。

「愛情」という大切な資源を、たった一つの投資対象(配偶者)に集中投資してしまえば、不和や家庭内別居、離婚というリスクの時に自らが壊れかねません。「愛情」を分散投資することで、日本人は長らく「結婚」「未婚」「離婚」における精神面のリスクを他の対象に振り分け、「愛」を回収してきた──。そのように見ることもできるのではないでしょうか。