年下の仲間のたちの
アイディアが刺激になる

【カミーユ・グタールさん インタビュー】<br />仕事も家庭も「自分らしさ」が一番<br />_img0
 

最近では、フレグランスのほかにボディオイル(限定)も発売し、ラインナップも拡充。ショップオープンも重なり、精力的に活動するカミーユ。それも母の影響が大きいようだ。

「ライフスタイルに合わせたアイテムをつくったのは、若いスタッフのアイデアなの。私にはない感性や発想を持っていて、とっても参考になるわ。以前は、同世代の友人や仲間と一緒にいることが多かったけど、今は年下の人たちと一緒にいることのほうが多い。フレッシュなアイデアに感化され、良い刺激を受けています」。

「ありのままを受け入れる」
母の言葉の意味が、今だからわかる

こういう風に思えるようになったのも、母であるアニックの影響が大きかったからだとか。

「年を重ねれば重ねるほど、大事なのは外見じゃなく、内面。皆さん、『そんなのわかってる』と言うでしょ? 私もそう思っていました。でもね、頭でなく、心からそう思えるようになったのは、ごく最近なの。まだ私が学生のころ、母は『あなたはありのままでいい』と言ってくれたことがありました。そのときは、母のいう意味がわからなかったわ。でも、今は違う。『ありのまま』を受け入れることで、ブレない自分が見えてくるの。いろいろなことを経験したから、この意味がわかるようになったのかもしれません。母が私に教えてくれたように、いつか子どもたちにも伝えてあげたい、そう思っています」

今では世界中を駆け巡っているカミーユ。「マレーシアで滞在したホテルのエントランスでアーモンドとはちみつを混ぜたような甘い香りにハッとしたわ。とても素敵な香りだった」。あらゆることに耳をすませ、心を開いている。

「3月に行われるプレス発表会では、アジアのお茶からインスピレーションを受けた香りを紹介します。お茶の香りを素材にしているフレグランスは、世の中にたくさんあるけど……私たちがつくった香りはちょっと違うの。仕上がりも上出来! 日本の皆さんにきっと気に入ってもらえるはず」。カミーユのこだわりがいっぱい詰まった新作のお披露目が待ち遠しい。

【カミーユ・グタールさん インタビュー】<br />仕事も家庭も「自分らしさ」が一番<br />_img1
 

プロフィール
カミーユ・グタール/「アニック グタール」調香師

写真家から転身し、イザベル・ドワイヤンとともに1999年から「アニック グタール」の調香師として活躍。自らの感情や人生経験を活かし、自然に湧き上がってくるインスピレーションを大切にしたクリエーションが特徴。「親しみやすい中でもきめ細やかな心配りのできる優しい香り」と世界中で愛されている。2人の女の子のママでもある。

取材・文/長谷川真弓
 
 
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