お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。

麻辣=しびれと辛さが特徴の四川料理。夏は発汗促進、冬は体を温め、体調を整えてくれる。ほかでは滅多に出合えない、本場の皿が気軽に楽しめる、とっておき。お仕事帰りに、麻辣晩餐会はいかが?


本場・四川の旬が香る、『趙楊』仕込みの味
四川料理・蜀郷香(四谷三丁目)

四川料理のしびれと辛さで寒さを吹き飛ばそう!_img0
弱火でじっくり、豆腐に味を含ませるように作る、四川のマーボー豆腐。この秋できたての、香りが違う新山椒がたっぷり。(コースの一例)

「趙楊さんが作る本場の四川料理を、ひとりでも多くの方に知ってもらいたくて」。そう語るのは、銀座『趙楊』などで10年間、氏の料理を学び、2011年9月に『蜀郷香』を構えた菊島弘従さん。彼が忠実に受け継ぐその料理は、四川がポピュラーになったいまなお、そのイメージを覆すもの。たとえば回鍋肉。おなじみのキャベツが、入っていない!「これが本来の回鍋肉。やわらかい葉にんにくが出回る季節には、これだけで作るんですよ」。麻婆豆腐も、この時季届く新花椒の香りがひと際鮮やか。素材の持ち味をじっくり引き出した、旬が広がる皿は、定番といえどもまったく違う。四川料理を食べ慣れている人こそぜひ訪れてほしいお店です。

四川料理のしびれと辛さで寒さを吹き飛ばそう!_img2
三枚肉と葉にんにくの炒め(回鍋肉)。通常はキャベツも入るが、このときはは葉にんにくだけ。豚肉の旨みが出た赤い脂は、残しちゃ損! ごはんにかけても最高。
四川料理のしびれと辛さで寒さを吹き飛ばそう!_img5
牛肉の四川煮込み 山椒の香り。たっぷりの鶏ガラスープの中で、牛肉をじっくり煮込んで作る。仕上げに加える豆板老油と新花椒がガツンと迫ります。
四川料理のしびれと辛さで寒さを吹き飛ばそう!_img7
仕込みから仕上げまで、ひとりで手がけるオーナーシェフの菊島 弘従さん。
四川料理のしびれと辛さで寒さを吹き飛ばそう!_img9
四谷三丁目駅に程近いビルの2階。

【四川料理・蜀郷香】
東京都新宿区舟町5-25 2F tel. 03-3356-0818 営業時間:(土・日・祝のみランチコースあり・要予約)18:00~21:30LO 休日:月 テーブル20席 コースのみ¥8000~、火鍋¥8000(季節限定)(すべて税別)

このページは、女性誌「FRaU」(2011年)に掲載された
「おつかれレストラン」を加筆、修正したものです。
撮影/神林 環 取材・文/齋藤優子 構成/藤本容子