日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、孤独感にまつわるモヤモヤエピソードです。
「自分で自分の機嫌をとる」呪縛
エピソードをお寄せくださったのは、一人暮らし10年目というシズカさん(45歳・会社員)。
30代半ばで離婚して以来、ずっとシングルです。離婚した理由は、嫉妬深くて干渉的な元夫に耐えられなくなったこと。元夫は精神的にも幼くて、愚痴や泣き言ばかりだったのもウンザリでした。
息苦しかった結婚生活から解放されて、一人暮らしを満喫してきた10年間。実家の家族(特に両親)は離婚に反対だったし、元夫とは共通の友人も多かったので、離婚を機に人間関係の断捨離が一気に進みました。それが清々しいとすら思っていたのですが、最近ちょっと心境が変わってきて……。
めっきり疲れやすくなった身体、「上がり」が見えてきた会社での仕事、ふとしたときに感じるもの寂しさ。「自分のわがままで一人になったのだから、自分の機嫌は自分でとらなきゃ」と思ってきましたが、最近なんだか疲れてしまって。なんでも自分で解決し、悲しいこと辛いことがあっても自分で自分をなだめていることが虚しいんです。誰かと話したい、一緒に笑いたい、楽しいことがしたい、そんな願望が強くなってきました。
家族や友人とベタベタしている人や職場で群れようとする人を見ると、「いい年して精神的に自立してないのね」なんて批判的な目で見ていたのですが、だんだん「一人」が苦しくなってきました。
「一人が好き」「自分で自分の機嫌をとれる」が私の代名詞だったのに、自分の変化に戸惑っています。なんでこんなに弱気になってしまったんでしょうか。それにこの歳まで一人暮らしが身についていると、今更「誰かと一緒にいたい」と思っても方向転換は難しいんですよね。自分から誰かを誘うのも慣れていないし……。
これからの長い人生、こんなモヤモヤを抱えて孤独に生きていくのかと思うとちょっとぞっとします。
新しい季節の到来
自分で選択した「一人」に誇りをもって、精神的に自立して生きてきたシオリさんの10年間。まずはそんな「これまでのシオリさん」に「お疲れ様でした!」と声をかけたいです。
そして最近感じ始めているというモヤモヤは、シオリさんの人生に「新しい季節」が到来している兆しなのではないではないでしょうか。
「周囲を頼らず一人で生きてきた」というセルフイメージが強い場合、「誰か」を求める自分の変化に戸惑ってしまう気持ちはよく分かります。しかし、自分の変化を悲観的にとらえて、自分を否定しないであげてほしいなと思います。
「三つ子の魂百まで」なんて言いますが、実際は大人になってもいろいろ変化しますよね。「誰かと一緒にいたい」「一人でいたい」という相反する気持ちが時期によって揺らぐというのも、そんなに珍しいことではないのでは。1年に四季があるように、人間の人生にもいろいろな季節があるということだけ。まずは、自分の変化を素直に受け入れる態勢を整えてくださいね。
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