日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、職場でのモヤモヤエピソードです。

「新しいこと」しなきゃダメ?余裕がないのに上司のプレッシャーが苦痛...35歳ワーママの心労_img0
 


「新しい企画、頼むね!」


エピソードをお寄せくださったのは、夫婦共働きでお子さんを育てるナオミさん(35歳・会社員)。

会社員として働きながら、5歳の息子を育てています。夫もかなりハードに働いているので、仕事と家庭の両立は常に課題で、毎日が綱渡り状態。家族の誰かが体調を崩すと詰む、そんな日々を送っています。

産育休を1年弱とって、仕事に復帰しました。私は負けず嫌いなので、同僚に遅れをとりたくなくてとにかく早く復帰したかったんです。子育てをしていることを言い訳にしたくなくて、ベビーシッターや実家のサポートを受けてガンガン働いてきました。営業職なので分かりやすい成果を上げる必要があり、取引の獲得件数や収益にもこだわってきたつもりです。

しかしここ1年ほど、上司との面談で繰り返し言われることにモヤモヤしています。「ナオミさんは営業成績はばっちりだね。次はもっと新しいことを考えてやってみて」ということを、何度も何度も言われるんです。「新しいこと」「新しい施策」「新しい企画」……いろいろな表現をされますが、共通するのは「新しい」というワード。

確かに、私がいる業界は古く、市場の成長も頭打ちと言われています。これまでと同じ商品を同じように売っているだけでは未来はないのかもしれない。でも、私にそんなことを考える余裕はありません。

ただでさえ、リモートワークも事前に上司の承認をとらないといけないとか報告のための打合せがしょっちゅうあるとか紙を使ったハンコ仕事が多いとか、謎ルールがたくさんあって働きにくい職場なんです。ワーキングマザーも増えてきたのに、本当に遅れています。そんな中でなんとか仕事と家庭を両立させている私にとって、営業目標をクリアするだけでいっぱいいっぱい。新しいことを考える時間なんてないんです。

今のところ「そうですねぇ……」なんてごまかしていますが、内心は理解のない上司にモヤモヤしています。

 


「新しいこと」の意味

「新しいこと」しなきゃダメ?余裕がないのに上司のプレッシャーが苦痛...35歳ワーママの心労_img1
 

家庭と仕事を両立させようと奮闘している中、「新しいことを考えて」なんてぼんやりした指示を受けるとげんなりしてしまいそうですね。ナオミさん、毎日本当にお疲れ様です。そもそも、子育てしながら働いていて、営業目標をちゃんとクリアしていることがまずすごいことだと思います。

上司の方がナオミさんの頑張りや貢献を理解していないとは思いませんが、もっと具体的に配慮のある言い方をしてほしいですよね。「新しいこと」とは言うは易し、行うは難し。漠然としすぎていて、指示された方も戸惑ってしまいます。

ナオミさんのモヤモヤを読んでいて気になったのは、「働きにくい職場」という言葉。例えば、この「働きにくさ」を改善する方法をまとめて提案することも、「新しいこと」にならないでしょうか

「新しいこと」というと、新商品とか新しい営業戦略とかがまず思い浮かぶかもしれませんが、働き方改革の提案=労働環境の改善や効率化だって立派な「新しいこと」。ナオミさんのように家庭と仕事を両立する社員が増えているならなおさらです。無理やり新商品の企画なんかをひねり出さなくても、生産性が向上すればそれだけ会社の利益率は向上するはずですよね。

 
  • 1
  • 2