今はSNSでだれでも情報を発信できる時代。あなたが知りたかった情報は、誰かがネットの海で発信しているかも。本特集は、ミモレ編集部から「新たな視点を得ることができる」「癒しになる」「知らない世界のリアルがわかる」情報をSNSで発信し、密かにバズっている人=「バズり人(びと)」さんのSNSアカウントをご紹介します。

今回は、ドラマウォッチャーとして多くのメディアにドラマコラムを寄稿する明日菜子さんに、ドラマウォッチャーになった経緯などについてお聞きしました。

『燕は戻ってこない』は現代女性の貧困をリアルに描写している!「シスターフッド」の次は、男性が連帯するドラマが見たいドラマウォッチャー・明日菜子さん_img0
 


「ドラマのおもしろさを広めたい」という使命感に駆られて書いていたら仕事に


――明日菜子さんがドラマウォッチャーとしてメディアに寄稿するようになるまでの経緯について教えてください。

明日菜子さん:そもそもこのアカウントを始めるまで、ライターの経験は全くありませんでした。2016年頃に一度会社を辞めて、すごく暇になった時期があったので、ドラマでも見てみようかなと思って見始めたら、結構面白かったんです! でも、友達や親にドラマの話をしても、みんなことごとく見ていなくて、それがすごくショックだったんですよね。 その時に「私がドラマの面白さを伝えないといけないんじゃないか」という使命感に駆られ、2017年からX(旧Twitter)とブログを始めました。メディアに寄稿するようになったのは、いつもよりバズった『野ブタ。をプロデュース』のブログ記事を見た「文春オンライン」の編集さんが声をかけてくれたことがきっかけです。


「ドラマウォッチャー」という肩書きを名乗り始めたのは、深田恭子さん主演で、ドラマがセカンドシーズンと映画にもなった『ルパンの娘』の時です。映画化の際に応援コメントの依頼をいただいて、「ライター」は恐縮だったので、自分で「ドラマウォッチャー」と名乗りました。

ただ「ドラマを見ている人」という意味なのですが、それ以来ずっと使っています(笑)。

 


今のドラマトレンドは「考察もの」と「シスターフッド」


――最近のドラマのトレンドについて教えていただけますか。

明日菜子さん:2024年春は、記憶喪失ものが多いという珍しいクールだと思います。

全体的なトレンドとしては「考察もの」。考察ドラマはXとの親和性が高く、昨今揺るがないトレンドの一つです。

また、女性が連帯する物語が増えてきた印象があります。「シスターフッド」という用語がメジャーになって以降、血のつながりのない女性たちが厳しい世の中を共に生き抜くために、手を取り合う物語が人気だと思います。

なので今後はその男性版も見たいですね。男性同士は下剋上的なビジネスドラマや、サウナなど特定の趣味を通じて描かれることが多いので、今後はそういう接点のない男性たちが連帯する物語も見てみたいです。

昨年放送された『こっち向いてよ向井くん』という男性主人公の恋愛ドラマでは、作中で男性同士が恋愛トークをするシーンがあって、すごく新鮮でした。男性だって特有の悩みがもっとあるはずなのに、それがあまり可視化されていないと思うので、男性同士が心のうちを見せ合うような作品がもっと増えてほしいですね。