いくつになっても若くはありたいけれど、年齢を重ねれば重ねるほどやることは増える一方……。たるみにほうれい線に白髪ケア、手のシワだって気になるし、運動に睡眠、はたまた食事への気遣いも若いとき以上に必要。到底全部は無理! と焦りを感じている人は多いはず。

だからこそ「これだけは保っておきたい」という“自分の若さ”を決め、対処すべきところはする、捨てるべきは捨てる、ということはとても大切。自分らしく年齢を重ねているミドル世代として支持される美容エディター松本千登世さんとヘアサロンAMATA代表の美香さんが、その線引きについて語り合う特集です。第一回はお二人が受け入れた経年変化、逆にしっかりと対処している変化について教えていただきました。

「シワやほうれい線はあっても、顔の輪郭が整っていればOK」「これだけは保っておきたい」という“自分の若さ”を決めると本当に必要なものが見えてくる!【松本千登世・AMATA美香】_img0
 


受け入れた変化TOP3


松本千登世さん

1.目尻のシワ
雰囲気の柔らかさにつながるので。周囲の人からも「優しい笑顔になった」「前よりいい」と言われるようになりました。

2.手の老化
以前はムチッと子供っぽい手だったけれど、筋っぽさ、血管の透けが出てきたことで大人っぽさが出てきたので、これはこれでいいかなと。

3.髪のハリ、コシの捉え方
反対に硬さや太さがやわらいだため、以前はできなかった髪型ができるようになって、むしろ今の髪質のほうが気に入っています。

美香さん

1.体重
体重よりもフォルムを重視するようになりました。

2.目尻のシワ
以前ほどはこだわらなくなったけれど、その1本のために気持ちが落ちるときは対処します。

3.所作
キビキビ動くことは大事だけど、私は慌ただしく動き過ぎるところがあるので、むしろ一回咀嚼してゆっくり動くことを心がけています。

 


あきらめない変化TOP3


松本千登世さん

1.顔の輪郭
顔の輪郭がシュッとしていれば、シワもほうれい線もいい感じに見えるはず!

2.姿勢
姿勢が丸まっていると疲れて見える。いつまでも席を譲られない自分でいたい!

3.態度
年齢って外見やマインドだけじゃなく所作にも出るもの。年齢を重ねて筋肉が減るとつい動作が荒くなってしまうので、気を付けていきたいところ。

美香さん

1.髪
白髪は染められるし薄毛も育毛剤でケアできる。諦めなければキープできます!

2.肌の透明感
肌って一番衰えを感じるパーツではあるけど、ケアを頑張ればすぐ戻ってくるパーツでもあると感じているので。

3.体型
頑張れば、何歳になってもフォルムは変えられる。プリンと上がったお尻だって手に入ります!


20、30代の頃はケアの選択肢が今ほどなかった


――ミドル世代に入ると、あらゆるパーツで変化(=老化)を感じ始めます。肌、髪、爪……、体型や体調もそうです。全てを保とうとするのは大変なだけに、何を受け入れ何に抗うか選択することが必要になってきているのかな、と思いまして。そこでお二人が、その取捨選択をどのようにされているかお聞きしたいのですが、まず最初に、お二人は若い頃はどのようなケアの仕方が中心だったのか教えていただけますでしょうか?

松本千登世さん(以下 松本) 私は美容に関して、もともと「あれもしたい、これもしたい」というタイプではないんですけど、今思うと30代の頃のほうが焦っていたと思います。毎日夜中まで働いて食事も不規則で。それを高いパックやクリームなど、化粧品で補おうとしていた感じですね。

美香さん(以下 美香) 分かる! 高いものを使っていれば安心、みたいな心理ってありましたよね。私は20代の頃はトレンドに敏感なアパレル業界にいたのもあって、美容アイテムも新作が出たらすぐ買いに行く、という感じでした。とくに当時はエスティ―ローダーのアドバンストナイトリペアシリーズとか、これさえ買って使っていればワンランク上の肌になれる、みたいな商品が決まっていて。ある意味、ラクでしたよね。

松本 当時はまだ美容クリニックでのケアも、今ほど普及していなかったですしね。

美香 美容クリニックの施術もシミ取りレーザーかビタミンC導入、ピーリングぐらいで。そんなにいろいろないから、あるものだけやっておけば安心という感じだったけど、今は選択肢が多すぎて……。今は商品以前に、オーガニック系とかボタニカルとか、まずはジャンルも幅広くなっていますもんね。

松本 商品の数も劇的に増えているから、もはや何が効くのか即答できない。仕事柄、「効く化粧品を教えて」とよく聞かれるんですけど、簡単には答えられないんですよね。

美香 本当に、美容ジャーナリストの方は大変そう……。