主演の二人が本当に魅力的で、チョン・リョウォンは43歳になっても変わらずキュートですし、繊細で自然な演技が素晴らしいです。ウィ・ハジュンも大型犬みたいに愛おしくて、年下彼氏役がこんなにハマるとは！
しかもこの二人、11歳差とは思えないほどお似合い。二人のケミ（相性）が最強で、視線の絡み方などが他人同士とは思えず、本当のカップルのように息ぴったり。キスシーンもたびたび登場するのですが、良い意味で生々しさがあって赤面してしまいます。
教え子に惹かれつつも、なかなか踏み出すことができない大人の女性ならではの戸惑いや、年下男子のちょっとストレートすぎる無謀な感じ（見ていて正直たまに疲れる）もとってもリアル。もどかしさや苛立ちも含めて楽しめるドラマです。
またヒロインのキャラも特徴的で、へジンには思わず応援したくなるような健気さがあります。一生懸命必死で生きてきたのに、恋の幸せをなかなか掴めないへジンに、恋愛に不器用なアラフォー女性は感情移入せずにいられないかもしれません（私がそうです）。
年の差恋愛ドラマの代表『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』との共通点は？
『卒業』を何話か観て、「このドラマ、どこかで見たことある……」と既視感を抱いたとしたら、あなたは立派な韓国ドラマ通。
ソン・イェジン主演の『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』に雰囲気が非常によく似ているのですが、それもそのはず、『卒業』の監督は、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』『ある春の夜に』などを手掛けたアン・パンソク監督。
イメージ画像で赤い傘を使用しているのも『よくおごってくれる〜』と同じですし、設定や展開も似ている点が多く、このような共通点を探すのも面白いです。
アン・パンソク監督作品の特徴は、ドラマティックにテンポよく物語を進めるというよりは、登場人物たちの感情を繊細に、そしてリアルに描きながら淡々と展開していくところ。
映像や音楽にもリアリティあふれる独特の世界感があり、大人びたムーディーな雰囲気や静けさが漂っています。
ノスタルジックな空気感を演出するのも、アン・パンソク監督の得意技。『卒業』では、アメリカのバンドThe Restless AgeによるOST（サウンドトラック）や美しい映像に懐かしさを覚えます。塾、教師や生徒といったモチーフや、アコースティックギターの音色が青春を呼び起こし、気づけば視聴者は『卒業』の世界に深く入り込んでいるのです。
舞台が学習塾だというのはなかなか韓国らしい設定で、昨年ヒットした韓国ドラマ『イルタ・スキャンダル ～恋は特訓コースで～』もそうでしたが、教育エリアとして名高い大峙洞 （テチドン）において、学習塾や講師同士の争いがどれほど熾烈なものなのか、リアルな様子を垣間見ることができるのは興味深いです。
トップスター講師ソ・へジンの周りは、彼女のポジションを狙う強力なライバルだらけ。後半では、そんなへジンとジュノを恐ろしい危機が襲います。
6月30日に最終回を迎える韓国ドラマ『卒業』。
ヘジンには、ようやく掴んだ幸せを絶対に手放さないでほしい……！ そう祈りながら、最終回を楽しみに待ちたいと思います！
構成／山本理沙
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